【ハウツー】

温泉もいいけど銭湯も! 東京都で銭湯に行くなら知っておきたいこと

富士山のペンキ絵の下に広がる大きな浴槽。都内にも古き良き銭湯がまだたくさんある!

大昔から、日本人はお風呂が大好きだ。今でも休日を利用してスーパー銭湯や温泉地に足を運ぶ人も多い。でも、いわゆる「銭湯」に行ったことのある人・通っている人は、若い人になればなるほど少ないと思う。今回はそんな人たちに向けて、「初めての銭湯」を気持ち良く体験してもらうためにいくつかのアドバイスをしたい。

渋谷や表参道、銀座にも銭湯はある!

ここで言う「銭湯」とは全国浴場組合に加盟し、料金が各都道府県内で統一されている公衆浴場を指す。東京都では大人が460円、現在665軒の銭湯が営業している(12月現在)。一般的に、自然から湧き出る湯を活用した浴場は温泉と呼ばれるが、銭湯は人工的に作られた"大きなお風呂"と捉えてもらえればいい。実は都内の銭湯にも温泉はあるのだが、それはまた別の機会に紹介しよう。

まずは近くの銭湯を探すところから。東京都の銭湯は東京都浴場組合のホームページで簡単に調べることができる。東京は駅の間隔が狭い。もし最寄り駅になくても、少し散歩すれば見つかるはずだ。会社勤めの人は勤務地の近くで探してみるのも手だ。実は、渋谷や表参道、銀座などにも銭湯はある。

シャンプーやタオルはできるだけ持参を

次に持ち物の準備をしたい。銭湯には、シャンプーや石けん、タオルなど、必要と思われるものはできるだけ全て持っていった方がよい。最近はボディソープとリンスインシャンプーを備え付ける銭湯も増えてきたが、全ての銭湯が完備しているわけではない。とは言え、手ぶらで行ってもほとんどの物は現場で購入することもできる。逆に、貴重品を持って行くのは避けよう。千円札一枚あれば十分だ。ちなみに洗面器はいらない。

勇気を出して(?)中に入ると、番台もしくはフロントがあるので、そこで入浴料を払う。サウナを利用する時は、別料金の場合もあるので確認しよう。脱衣所に入ったら、ロッカーに手荷物や着ている服を入れる。ロッカーの鍵は腕や足に付けて絶対になくさないこと。なくすと鍵交換のための実費を求められるなど、いろいろと面倒なことになる。

さて、浴室内へ。といっても一直線に湯船に向かってはならない。まずは「かけ湯」をして、身体の汗や汚れを落としてから入る。身体を洗う時は、シャワーの水を出しっ放しにしたり、カラン(蛇口)を足で踏んだりしてはならない。周りの人に水がかからないように気配りもしよう。銭湯はエコとマナーを学ぶ場でもある。

オススメは"温冷浴"

いよいよ湯船に入る。思いっきり足を伸ばしてくつろごう。至福の一時だ。この時、湯船にはタオルや髪を入れないように注意したい。長い髪の人はまとめておこう。もし熱すぎる時は、周りに一声かけて常識の範囲でぬるくしてもよい。湯船は場所によって何種類かある。オススメは水風呂を使った"温冷浴"だ。温かい湯と水風呂に交互に入ることで、血行も良くなるし、湯冷めしにくい。何よりとても気持ちいいのだ。

全身くまなく洗って湯を堪能したら、使ったイスと洗面器をきちんと元の場所に戻す。そして、脱衣所をぬらさないように、タオルで身体を完全に拭いてから出る。ここが重要だ。着替え終わったら、髪を乾かしながら一休み。脱衣所内やロビーで、定番のコーヒー牛乳を飲むもよし。テレビや雑誌を眺めるもよし。

一言お礼を言って銭湯を出たら、そのまま近所を散策してみるのもいいだろう。外の風が火照った身体に涼しく、風情がある。とは言え、寒い季節の湯冷めには気をつけよう。せっかく温まったのに風邪をひいては元も子もない。

都内の銭湯の数は50年弱で約4分の1に

銭湯に何度か行ってみたら、ぜひ2軒目、3軒目と別の銭湯に足を運んでみたい。外観から脱衣所、浴室のつくりや湯船の種類、客層に至るまで、ひとつとして同じ銭湯はない。銭湯はその街々の縮図でもあるのだ。知らない街の銭湯に出かければ、きっとあなたの世界も広がることと思う。ちなみに東京都浴場組合では「銭湯お遍路」というスタンプラリーを通年で開催しているので(認定証、記念品あり)、これをきっかけに東京都内の銭湯巡りにチャレンジしてみるのも面白い。

銭湯の数は、言うまでもなくどんどん減少している。東京で言えば、昭和43年(1968)の2,687軒をピークに、50年弱でおよそ4分の1にまで数を減らした格好だ。とは言え、北は北海道から南は沖縄まで、日本全国にはまだまだ銭湯は残っている。昔ながらの伝統的な銭湯や、モダンに進化した銭湯、変わった設備がある銭湯や、名物女将が優しく出迎えてくれる銭湯まで様々だ。

夏は汗を流し、冬は芯から温まる。そんなシンプルな機能以上の魅力が、きっと銭湯にはある。今だからこそ銭湯デビューして、新しい世界に浴してみてはいかがだろうか。

※本文と写真は関係ありません

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。
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