Renesas DevCon 2014レポートの作田会長に話を伺ったレポートの最後に、「DevConの仕掛け役に改めて話を伺う予定」と書いたが、その仕掛け人である高橋恒雄CSMOに日を改めてお話を伺ったので、Renesas DevConの総括としてこれをご紹介したいと思う。ちなみにインタビューそのものは10月後半に行ったのだが、筆者の都合でやや掲載が遅れてしまい、結果として時系列がややあっていない話も出てくるのはご容赦いただきたい。

DevConそのものについて

ルネサス エレクトロニクスにてCSMOを務める高橋恒雄氏

Q:そんな訳で無事にDevConは成功…したんでしょうか? というあたりで、まず総括をお聞きしたいのですが

A:DevConそのものは大成功でした。本当にありがとうございました。お客様も、元々予定していたよりも50%位多く来場して頂けましたし、満足度についても点数をつけていただいたんですが、これも思ったよりも20%位高かったということで、ほとんどのお客様が満足して帰って下さったということです。

終わった後も、また見たいという引き合いがあり、企業様向けに出先でDevCon Onsiteというものをやらせて頂いたり、あと東京以外の場所でやる場合は「DevCon on the Road」という形で、DevConのDeliverableを今、展開しています。あとは韓国をはじめ海外でも同じようにDeliverableを展開するということで、一回作りこんだ今回のDevCon Japanは、色々なところで現在展開している最中です。

(筆者注:アメリカではDevCon Extention 2014が現在実施中で、先日アトランタが終わって次は2015年1月にミネソタで実施される)

Q:同じフォーマット、というのは同じ内容を持って行くということですか? それとも国ごとにカスタマイズされるのでしょうか?

A:カスタマイズ、まではいきませんが国ごとにチューニングはします。

Q:それはREA(Renesas Electronics America)もそうなんでしょうか?

A:REAは1年後なので、また新しいコンテンツでやります。

Q:ではREE(Renesas Electronics Europe)に関しては今のフォーマットのままチューニングしてということでしょうか? 国別というか地域別、あるいは業種別なのか判りませんが。

A:まずはアジアです。REEは今度Electronicaがあるので、DevConとはちょっと違いますがそちらの方で一応DevConの内容に即したメッセージを出す形となっています。

Q:で、お客様は先ほど50%多いとおっしゃっていましたが、そもそも何人くらいを想定されてました?

A:1000人ちょい位くればいいかな、という見込みでやってたんですが、実際には1500人くらいでしたね。ちゃんとした数字で申しあげると、目標1000名、結果1700名、あ、70%多いですね(笑)。実は事前登録を1500人位と見込んでおりまして、ただ歩留まりがあるので、まぁ1000人位だろうと考えていたのですが、事前登録が2100人で結果が1700人。歩留まりもすごい高いし、元々想定していたよりもお客様に来ていただけました。

Q:メッセージとしては正しく打ち出せたのですか?

A:正直申し上げて、苦労したのは事実です。というのはやはりルネサスの第1ソリューションと第2ソリューションが持っているものを、1つのテーマとしてお見せしたい訳です。我々が一体どこに向かって何をしてるんだろうか、ということは随分マーケティングの中でも考えて、結果的に言うと制御とITの融合という名前にはしたんです。

終わってみれば当たり前の話と言われるのかもしれませんが、Internetが広まってゆく中で色々生まれたテクノロジー、これを活用してゆくことで今までずっとあった車とか制御とかそういう個々の単独で動いていたものが、IoTとしてInternetに繋がってくる。ただIoTと言うと、皆さん言っておられるので、では具体的には何か?という話になります。そこで、IoTはIoTなんですが、我々の目指すIoTというのは1バイト1バイトをすごく大事にするIoTだよ、と。

基調講演では価値ある1バイトという話をさせて頂きましたが、同じ1バイトでも出てきたときに、その持っている価値がすでに高いものを目指したい。ですから、同じ1バイトでも制御する時には、同じ動かすにしても価値がある状態にして動かしたい。Internetがひろがればひろがるほど、色々なデータ自体が毀損したり、ノイズも多くなってきたりするわけですけど、ルネサスが目指すIoTというのはもうちょっときちんとした、「価値ある1バイト」になってしまうんですが(笑)、まぁそういう世界であるべきだと。そのためにTechnologyやSolutionを提供するべきだ、ということがマーケティングの中で段々総意が出来てきました。

Q:それを正しく見せることが出来た、と?

A:言い切りましたね(笑)。我々としては説明出来たと思っております。

Q:パートナー企業も随分参加されていましたが、そうしたパートナーからの反応はいかがだったでしょう?

A:集客が非常に良かったので、閉展を19時に予定していたですが、閉展時間までお客様が途切れなかったのです。実は会場に混雑や渋滞の緩和を目的に定点カメラを設置し、動線の調査を行っていたんですが、結果として綺麗にずっとどこも混雑するという状況でした。 そうした状況でしたのでパートナーの皆様はお客様がすごく多かったというのことで喜んでおられました。ただ本当はもっと広げられたんじゃないの? というのは反省としてあります。

Q:もっと、というのは

A:会場を広くするか、時間を長くするかのどちらかですね。2日でやるかとかですね。

Q:しかし、もっと広い会場となると、次はビッグサイトになりますよね?

A:そうなっちゃいますよね(笑)。まぁサイズとしてはいいんですが、時間をもう少し長くするという方法はあるのかなと思います。

Q:Technical Sessionの方はいかがでした?

A:Technical Sessionの方も、開場してすぐ満員御礼になる位の人気のあるセッションも多くあって、パートナー企業の方のセッションでも相当な人数が参加してくださいました。こちらも同じで、お断りしなければいけないセッションがかなり早めに出てしまったので、もう少し大きい会場でやるとか、あるいは複数回やるべきだったな、という反省点はあります。