GPS衛星を利用して、現在地と正確な時刻情報を取得する「OCW-G1000」が好評のOCEANUS(オシアナス)。カシオウオッチのフラッグシップブランドともいるメタルアナログウオッチとして、その評価と人気は国内のみならず海外でも高い。

さて、そのOCEANUSも、ブランド誕生から10周年。これを機に、高度な機能や美しいデザインワークの陰に隠れて今まであまりスポットが当たらなかった「安心と信頼」を支えるカシオの思いと技術、サービスについてレポートをお届けしたい。最初のテーマは、プレミアムウオッチならではの「品質保証」。

OCW-G1000-1A
シルバー×ブルー

OCW-G1000B-1A2
ブラック×オレンジ

OCW-G1000B-1A
ブラック×ブラック

メイドイン山形で目指す「絶対品質」

「お客様に安心してお使いいただくための品質管理は、大きく2つに分けることができます。ひとつは製造時の品質維持、もうひとつは製造後、つまりアフターサービスやサポートです」

そう語るのは、カシオ計算機 時計事業部 品質保証部 部長の福士卓氏。まずは製造時における品質管理から、お話を伺おう。

カシオ計算機 時計事業部 品質保証部 部長 福士卓氏

福士氏「OCEANUSの品質を語る上で欠かすことのできないものが"メイドインジャパン"であることです。カシオは国内に山形カシオ、海外では中国の2拠点とタイの1拠点を製造拠点として持っていますが、OCEANUSに関してはすべて山形カシオで組み立てています」

山形カシオの時計生産ラインには、「PPL(Premium Product Line)」という高級メタルアナログ専用の生産ラインがある。ここでは現在、OCEANUSのほか、G-SHOCKの「MR-G」と「MT-G」、PRO TREK(プロトレック)のフラッグシップモデル「MANASLU」の組み立てが行われているという。

福士氏「山形カシオのPPLは2012年から稼働を開始したのですが、当時はG-SHOCKのMR-G、およびOCEANUSのフラッグシップである"Manta(マンタ)"のみを対象としていました。しかし、それからいわゆるクラシックモデルのOCEANUSでも高額な製品が出てきて、やはり価格に見合った満足度を提供したいということから、現在製造中(2015年1月出荷分)のOCEANUSシリーズ全品がこのPPLで組み立てられています」

一般品とは明確に差別化された生産ラインとされる山形カシオのPPL。では、具体的にどのような部分が違うのだろうか。

福士氏「PPLが目指すのは"絶対品質"。それは一般的なメイドインジャパンのもうひとつ上を行くモノ作りです。例えば、組み立て工程の工夫。機械化する部分と、職人の技が発揮される部分の融合を狙ったラインの設計をしています。

コンマ1ミリ単位のパーツを手早くセットしたり、精度確認のためのツールとして機械やコンピュータを導入する一方、それらを使いこなして、きわめて微細な精度調整や製品検査をするには熟練した職人の技が求められるのです」