北海道は魚介類がおいしいなんて当たり前の話。どうせ食べるなら、おいしい魚介類を豪快に食べてみたいではないか! そんな期待に応えてくれるのが、その名も「豪快居酒屋 舟盛屋 すすきの店」。店名の通り、刺身の「舟盛」が看板メニューとなっているのだが、その豪快さにのっけからビックリすることに!

というのも、この店では自動的に、「毛蟹半身のお通し」(840円)と「舟盛」(一人前1,580円)が人数分出てくるシステムとなっている。入店と同時にひとり2,420円が計上されるという初めての体験に戸惑いながら、生ビールを飲みつつ料理を待つことにした。だ、大丈夫だろうか……。

本当に毛ガ二がお通しにキター!!

まず出てきたのは毛ガニ。おいおい、ホントに毛ガニが半身で出てきたぜ! それもサイズも立派!! 来店5分でもう豪快さを実感してしまった。道外出身の筆者は、毛ガニの半身とハサミとカニスプーンが出されてもどうやって食べたらいいか戸惑うばかり。だが、そこはご心配なく! 毛ガニの食べ方の説明がしっかりとメニューに添えられている。

「こちら、お通しとなります」っておい、本気かよ!

毛ガニのトゲを指に刺しつつ、毛ガニとしばし格闘。ハサミで切って、カニスプーンで足の身をほじくり、甲羅をパカッと開けてカニミソの上にカニの身をオン! あぁ、これはウマい。

甘味とうま味が凝縮されたカニの身と、まったり濃厚なカニミソとがよく合うこと。カニの身とカニミソが相性占いに行ったなら、きっと相性100%は確実だろう。毛ガニのトゲがちょっと指に刺さって痛かったことなんてもう過去のこと。そんなこと忘れて、毛ガニと過ごす誰にも邪魔されない幸せな時間! こんなぜいたくなお通しが居酒屋にあるなんて。

舟盛屋の神髄、豪快な舟盛りの登場

一心不乱に集中した毛ガニタイムが終わる頃、とうとうこの時が来た。わが港(テーブル)に舟がどんぶらこ。こぼれんばかりに刺身をのせた舟がどんぶらこ。刺身がのった舟を重そうに持つ店員の登場に、歌舞伎の大向こうよろしく叫ぶ。「よっ! 舟盛屋っ!!」

こちらは「舟盛」3人前。見るからに過積載……

舟にのるのは、北海道各地から届いたものを中心とした魚介類。タイにヒラメにサーモンに、世が世なら浦島太郎でもビビるはず。他にも、イカやマグロや甘エビも。数えてみると、約20種の魚介類。あえて"約"をつけたのは、もしかしたら隠れて数えきれていない刺身もあるんじゃないか、と思ったからだ。本日、2回目の豪快体験! 食べても食べても舟の底が見えてこない!! どこから食べても、どこまで食べても、刺身! 刺身!! 刺身!!! どう見たってこの舟、過積載である。

しかし、おいしい刺身もこんなに量があれば、次第に箸の速度がペースダウン。実は、ここからが「舟盛屋」のすごいところ。プラス200円で、残った刺身をかき揚げやバター醤油炒めなど、別のメニューに変身させてくれるのだ。

舟盛の残りをかき揚げに。生でおいしかったら、そりゃ揚げてもおいしいわっ!

さっきまで舟にのっていた新鮮な海の幸が、今度はサクサクの海鮮かき揚げに大変身。ビフォーもアフターもすてきやん! 塩をサッと振って食べるかき揚げは、刺身に負けず劣らず絶品である。

もちろん、「舟盛屋」には新鮮な魚介類をはじめ、「生ラムの唐揚げ」(580円)や1日数量限定の「若鶏半身揚げ」(1,050円)といった、様々なメニューを用意している。ただ、筆者は毛ガニと舟盛のマストメニューで、味も量も満足してしまった。日常に刺激が足りてないとお思いの方、北海道自慢の海の幸による豪快さをここ「舟盛屋」で体感していただきたい。

●information
豪快居酒屋 舟盛屋 すすきの店
北海道札幌市中央区南5条西5 第二旭観光ビルB1

※記事中の情報・価格は2014年12月取材のもの。価格は税別