説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『「連絡先」のデータはSIMカードに記録される?』という質問に答えます。

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iPhoneでは、友人/知人の名前や電話番号といった交友関係のデータ(アドレス帳)は「連絡先」というアプリが管理し、内蔵ディスクおよびiCloudに記録します。かつてのフィーチャーフォンのように、SIMカードにアドレス帳を記録することはありません。それは初代iPhone(日本ではiPhone 3G)の頃から一貫していますから、iPhone間で機種変更を行う場合、SIMカード経由では連絡先データは移し替えできません。

iPhone間でアドレス帳を移し替える場合は、iCloudの利用がもっともかんたんです。ただiCloudにサインインして「設定」にある連絡先スイッチをオンにしておくだけで、新しいiPhoneを利用開始したあと同じApple IDでサインインすれば、連絡先データが自動的にコピーされます。iTunesで復元作業を行えば、パソコンにバックアップした内容を新しいiPhoneにコピーできますが、iCloudを利用するほうが作業は短時間で終わります。

Android端末やフィーチャーフォンからアドレス帳を移し替える場合、microSDカードにデータをコピーし、それをバックアップアプリの機能でiPhoneにコピーすることがオーソドックスな方法です。ここでは具体的な方法は説明しませんが、「JSバックアップ」などのアプリがよく知られています。Gmailを利用しても、Googleアカウント経由でアドレス帳をiPhoneに移し替えることが可能です。

なお、iPhoneにSIMカードに記録されたアドレス帳を取りこむ機能はありますが、数年以上前に発売された携帯電話のSIMカードとiPhoneのSIMカード(iPhone 5以降はナノSIM)は形状が合わない可能性大です。形式的に用意されている機能であり、まず使うことはないでしょう。

iPhoneの「連絡先」アプリは、SIMカードにアドレス帳データを書き込むことはありませんが、他の携帯電話/スマートフォンが書き込んだデータを読み取る機能は用意されています