マイナビニュースは12月13日、1~3年目の若手社会人を対象に「若手社会人の心得! デキル社会人のコミュニケーション力アップ講座」を開催。(協賛:日本郵便株式会社)

株式会社タイタン代表の太田光代さん、ビジネスマナー講師の吉戸三貴さんを招き、コミュニケーションスキルの向上につながるポイントを学んだ。

「経験を飛び越えることはできない」

第1部のトークショーに登場したのは、爆笑問題や人気沸騰中の日本エレキテル連合など多くのタレントを抱える、株式会社タイタンなどの代表を務める太田光代さん。実は最初から“社長になる”というビジョンがあったわけではないという。

「高校卒業後は主婦になるつもりでした。アルバイトはたくさんしたけど、就職はしたことないんです。モデルをやって、その流れでタレントをやって……夫と出会ったのは、その頃ですね」と当時を振り返った。

そして、夫である爆笑問題の太田光さんを例に、若い頃に陥りがちな“勘違い”に注意を促す。

「たけしの再来、なんて言われて、いきなりビートたけしさんみたいになれると思ったんでしょうけど、タレントは事務所のコントロールで活動します。会社あっての自分たちなんです。なのに、あの人は不義理をして事務所を辞めてしまった」と、夫の当時のあやまちを話した。

そして、「もし、やりたいことがあっても、必ずステップが必要。経験にムダはないし、飛び越えることもできないんです」と、無意味と感じても、しっかりと日々の仕事をこなし、土台を積み上げていくことの重要さを語った。

仕事がほとんどない状況を打開するために、太田さんがとったのは“コミュニケーションをつないでいく”という方法だった。

「不義理をした人をTV局も使いたがりません。でも、見てもらえば彼らは必ず売れるという自信もありました。それで、単独ライブを開くことにしたんです。4000通のハガキを書いて招待して、最初は現場のADさんから、その上の方、さらに上の方……とつないでいきましたね」。

さらに、「お礼状も大切。ハガキは形に残りますからね。もちろん、年賀状も出しています。ちょうど今、準備していて今年は1万枚くらいは出しますね。字がヘタとかがあるかもしれませんが、丁寧に書いてあれば一生懸命さが好印象になる」と、アフターフォローで相手に印象を残すようアドバイス。

最後に「偉くなった人たちだって、今の時代を取り入れていくために若い人のアイデアを求めている。ぜひ、これからの日本を支えてください」と、笑顔で若手社会人にエールを贈った。

あなどれない、アナログ・コミュニケーション

第2部では、沖縄美ら海水族館の広報・広告宣伝担当などを務め、現在はコミュニケーションスタイリストとして活躍する吉戸三貴さんから、ビジネスマナーについてレクチャーを受けた。

ひと言で、ビジネスマナーは「仕事に必要な礼儀作法」のこと。仕事は1人でやるものではなく、たくさんの人と一緒に行なうものだからこそ、みんなが気持ちよくスムーズに仕事を進めるためのルールだという。

「身だしなみや、あいさつ、敬語、席順など、基本の部分は覚えなければなりません。相手を思いやって、誤解を与えないようにすることが大切です」。

だからと言って“ルール優先”になってしまうのは本末転倒。

「マナーありき、になってしまって、相手を不快にさせてしまうのでは意味がありません。臨機応変に対応するコミュニケーション力が重要になってきます」。

では、コミュニケーションが上手になるにはどのようにすればよいのだろうか。

「まず、あいさつや返事をはっきりすること。真剣になると表情が固くなるので、笑顔は2割増くらいを意識しましょう。次にできるだけ相手と同じ言葉を使い、共感と信頼を得ること。自分の表現にこだわりすぎないことが大切です。3つ目は、手書きのお礼状やメモなど、アナログなコミュニケーションで印象づけること。最後に、メールなどのデジタルコミュニケーションでは、簡潔さとスピードを重視することですね」と、吉戸さんは4つのポイントを教えてくれた。

特に、3つ目のアナログコミュニケーションには、吉戸さんもずいぶん助けられたという。

「広報として忙しすぎてパニックになってしまっても、お礼状は落ち着いて書くことができる。そのお礼状がきっかけで、また取材に来てくださったりすることもあります」と、当時を振り返る。

「手書きのお礼状は、礼儀正しさやまじめさが伝わりますし、自然と印象に残る人になります。良いとわかっていても、実践できている人は意外と少ない。今の時期なら、年賀状からはじめてみるのもオススメです」。

書き方のポイントとしては「基本を抑えてシンプルにすることと、うまく書こうとしすぎないことです。印刷のものにひとこと添えるだけでも、十分効果的」だという。今なら、年賀特設サイト「郵便年賀.jp」などを活用するのも手だ。「いきなり完璧を目指さずに、まず実践してみてください」とアドバイスした。

第3部で早速実践、意外な飛び入りゲストも登場

第3部では、これまでのレクチャーを踏まえての参加者同士の交流会が実施された。名刺交換や自己紹介など、歓談に和やかなムードの中、突如、ガンダム芸人の若井おさむさんが登場。ガンダム世代ではない来場者にたじろぎながらも、ガンダムネタを披露し会場を笑いで包んだ。

そんな若井さん、芸人になったのは29歳のとき。「それまでは、会社に勤めたり、自分でお店を経営したりしていた」と過去を明かす。「とにかく3年は続けて、それから自分のやりたいことをやろうと思った。会社勤めは本当にいい経験になった」と、まずは3年続けるように話した。

「年賀状は子どもの頃から毎年、書いてます。吉本の先輩にも、手書きで出してますよ。送る側も、手書きは気持ちが込められるので」と、手書きの良さを熱く語り、年賀状をはじめとするコミュニケーションの大切さは、来場者に十分伝わったようだった。