SNSの運用を始めたのに、なかなか自分たちのコンテンツが共有されない……そんなことはないだろうか?

最初だから……という言い訳もできない時期に差し掛かってきたのであれば、何か根本的な問題があるのかもしれない。Incが「顧客がコンテンツをSNSで共有しない4つの理由(原題:4 Reasons Your Customers Aren't Sharing Your Content on Social Media)」という記事で、4つの理由を分析している。

記事では、1000人以上の成人を対象に行ったSNSでコンテンツを共有するときの動因についての調査をはじめ、なぜ共有をしなかったのかなど複数の報告書から、4つの理由を洗い出している。さっそく見てみよう。

71%がコンテンツの共有に「躊躇する」

Facebookにコメントを書いた後、削除した経験があるだろうか?

Facebookとカーネギーメロン大学がFacebook利用者390万人を17日間調査したところ、Facebook上で友人などから見られていることを意識した結果、自己検閲の作用が働き、自分の意見投稿を控える傾向があることがわかった。

なんと、71%に及ぶユーザーがコメントや投稿を書いたものの、共有せずにそのまま削除しているという。

様々な背景があるだろうが、投稿やコメントの内容から、他人からどのように思われるか気にした……だけではなく、大学時代の友達や会社の人、趣味で繋がっている人など、様々なグループとの繋がりを考慮すると、自分のコメントが不適切だと判断した例もあるようだ。確かに、泥酔した友達の写真に寄せたふざけ半分のコメントは、会社の同僚に読まれたくないことだろう。

これを逆説的に捉えると、普遍性や共通することが多いコンテンツであれば、投稿に対する躊躇が少ないと言えるのかもしれない。

ユーザーが「どう見られたいのか」を補強できるコンテンツか?

私たちが"アイデンティティ"を決定するものに、「関係」と「個人」「社会」「集団」「表面」という5つの要素がある。

これらの要素が自分の行動を決定付けており、チームで戦うスポーツでは集団のアイデンティティ、就職面接などでは個人のアイデンティティが重要になる。

ソーシャル空間にいるとき、どのアイデンティティが強いのかによって、「どのようなコンテンツを共有するのか」が変わってくるという。

つまり、個々人が「どのように見られたいのか」を補強してくれるようなコンテンツなら共有するという結論に至るわけだ。

良い友達と思われたい

それでは、SNSユーザーはどのように見られたいのか。

調査ではSNSを利用する際に考える重要な要素として、84%が「自分が大切にしている人にとって良き友人であること」を挙げたという。さらに「友達との関係が非常に重要だ」と回答した人は20%であった。先ほど挙げた5つのアイデンティティに当てはめると「関係」のアイデンティティとなる。

つまり、コンテンツを作成する際に「共有するとユーザーが友達との関係が強まるようなものを意識すべき」と言えそうだ。

目標や価値を表すコンテンツ

SNSユーザーが友情の次に大切にしているものは「自分の価値、目標、夢が大切」という人が65%にのぼった。

これに当てはまるアイデンティティは「個人」だ。「関係」のアイデンティティがシニア層に重要視されているのに対し、「個人」は若年層に支持されている。

もしあなたの企業がターゲットを「若者」としているのであれば、目標や価値を示唆したり、刺激するようなコンテンツを用意してはいかがだろうか。