2014年10月に楽天とフュージョン・コミュニケーションズが提供を開始した「楽天モバイル」は、いわゆる今話題の格安SIMサービスだ。12月5日には新たな対応端末の提供とサービス拡充が発表され、使い勝手が向上した。そこで本稿では、あらためてサービスの魅力についておさらいするとともに、新端末「AQUOS SH-M01」「Ascend Mate7」や、実店舗の展開など楽天モバイルの新たな取り組みについて紹介していきたい。

今秋サービスインした楽天モバイル。本稿ではサービスの特長や、新たな取り組みについて紹介していきたい

利用料金が3分の1に!

楽天モバイルは、NTTドコモの通信回線を借りる形で、フュージョン・コミュニケーションズ(楽天グループ)が提供するサービス。大手携帯通信キャリアの約3分の1の利用料金で運用できる点が魅力となっている。例えばNTTドコモで、通話定額・データ通信(2GB/月)のプランを契約した場合、最低でも月額6,500円はかかる。しかし楽天モバイルなら、1か月に30分の音声通話と2.1GBのデータ通信を行っても、月額2,200円(※30分の通話を楽天でんわで行った場合)で済むのだ。音声通話は従量制だが、10円/30秒の「楽天でんわ」など利用できるため、通話代を安く抑えることができる。

楽天モバイルなら、月に30分の通話と2.1GBのデータ通信を行っても、月額2,200円(※30分間の通話を楽天でんわで行った場合)で済む。大手携帯通信キャリアの約3分の1の利用料金で運用できる点が魅力となっている

料金プランは高速通信が利用可能な2.1GBパック(1,600円/月)、4GBパック(2,150円/月)、7GBパック(2,960円/月)のほか、高速通信なしのベーシックプラン(1,250円/月)を用意。データ通信に関してはNTTドコモと同じカバーエリアでLTE・3Gが利用でき、高速通信の通信速度に関してもNTTドコモと同じ下り最大150Mbpsが利用可能。インターネット動画やSNS、テザリングなどをストレスなく利用できる。

料金プランは、データ通信の容量が異なる4コースから選べる(写真左)。つながるエリアはドコモと同じ、通信速度もドコモと変わらない(写真右)

NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクが2014年にこぞって導入を開始した、音声定額の「新料金プラン」。大手3社は「他社の携帯電話や、固定電話に電話をかけても定額」というメリットばかりをアピールするが、頻繁に電話をかけない利用者にとっては、むしろ月額利用料金が高くついてしまうデメリットが存在する。特にNTTドコモでは旧料金プランが廃止されており、新規契約者は新料金プランの契約が必須となっている(auとソフトバンクでは旧料金プランも選択可能)。こうした背景もあり、いまMVNOの格安SIMサービスの人気が急上昇しているのだ。

だが、ここまでお伝えしてきた通り、楽天モバイルであれば、大手キャリアの約3分の1の月額料金で、大手キャリアと同品質の音声通話やデータ通信が利用できる。加えて、電話番号を変えずに乗り換えられるMNP(ナンバーポータビリティ)に対応しており、NTTドコモの提供するスマートフォンが利用できる(後述参照)という点も大きな魅力となっている。

電話番号を変えずに乗り換えられるMNPに対応(写真左)。NTTドコモの提供するスマートフォンが利用できるので、スムーズに乗り換えられる(写真右)

楽天モバイルでは、SIMカードのみを提供するプランのほか、SIMロックフリー端末をセットで提供するプランも用意している。SIMカードのみを提供するプランでは標準SIM、マイクロSIM、nano SIMの3タイプに対応。対応端末は同社のホームページで確認できる。ドコモ版iPhone 6にも対応しており、汎用性の高さがうかがえる。ただし、ドコモの端末を利用する場合は、テザリングが利用できないので、注意が必要だ。

動作確認端末の一覧(楽天モバイルのホームページから)。ドコモ版iPhone 5s/ 5c、ドコモ版iPhone 6/6 Plusにも対応している

高品質なSIMフリースマホをセットで提供

楽天モバイルでは、スマートフォンとSIMカードをセットにしたプランも提供している。現在「Ascend Mate7」(ファーウェイ製)、「ZenFone 5」(ASUS製)、「AQUOS SH-M01」(シャープ製)の3端末が利用可能。これに加えて、来春には新たなスマートフォンを提供する予定だ。端末のラインナップが充実している点も、楽天モバイルならではの魅力と言えるだろう。

楽天モバイルでは「Ascend Mate7」、「ZenFone 5」、「AQUOS SH-M01」の3端末が利用可能。端末のラインナップが充実している点も、楽天モバイルならではの魅力と言える

Ascend Mate7は、6インチのハイスペック端末。オクタコアCPU搭載により処理速度が非常に速い。また、画面占有率83%の狭額縁構造を採用しており、6インチの大画面にも関わらずコンパクトで洗練された外観に仕上がっている。楽天モバイルでは、このAscend Mate7を48,888円で提供する。一括払いで購入すると楽天スーパーポイントが3,000ポイント付与される。24回の分割払い(1,945円/月・初回のみ4,166円)にも対応する。アップルストアにおける「iPhone 6 Plus」の価格が87,800円、Google Playにおける「Nexus 6」の価格が69,602円であることを考えると、この価格設定は良心的と言えるだろう。

6インチのハイスペック端末、Ascend Mate7。競合他社の6インチのフラッグシップモデルより2万円~4万円ほど安い価格に設定されている

実機がこちら。「楽天でんわ」などがプリインストールされており、楽天の提供する各サービスが利用しやすくなっている

ZenFone 5は、クアッドコアCPUと大容量の2GBメモリを搭載したモデル。フルHD動画の鑑賞、ウェブブラウジング、ゲームなど、あらゆる作業をストレスなく快適に行うことができる。文字入力には、高い変換精度を誇るジャストシステム社製の「ATOK」を標準搭載。かしこい変換機能により、スピーディーな文字入力が行える。価格は26,400円となっている。

AQUOS SH-M01は、コンパクトなデザインの防水スマートフォン。IPX5/7の防水機能を搭載しており、雨の日でも快適に使用できる。ワンセグ機能を搭載、いつでもどこでもテレビの視聴が可能だ。このほか、IGZOパネル搭載で安心の電池持ち3日間を実現した。価格は52,800円で、一括払いで購入すると4,000ポイントの楽天スーパーポイントが付与される。24回の分割払い(2,130円/月・初回のみ3,819円)にも対応する。

ATOKを標準搭載した、クアッドコアCPU×大容量メモリのZenFone 5(写真左)。IGZOパネル搭載の防水スマホ、AQUOS SH-M01(写真右)

競合他社でもスマートフォンと格安SIMカードのセットプランを提供している。しかし、数年前の型落ちしたモデルを使っている例が散見されるが、楽天モバイルでは最新のスマートフォンを提供しており、好感が持てる。来春提供されるスマートフォンにも期待したい。

スマートフォンとのセット価格詳細

楽天モバイルならではの特長

楽天モバイルでは、渋谷区神南に「楽天カフェ」を構えている。同店舗では実機に触れられるだけでなく、スタッフにサービスの概要を説明してもらうことも、その場で申込することも可能だ。実店舗を持たない競合他社が多い中、渋谷に店舗があることは楽天モバイルならではの強みとなっている。

渋谷の「楽天カフェ」には実機が展示されている。同店舗ではサービスを契約することも可能だ

「楽天ブランドは認知度が高いので安心できる」という見方をする人もいるだろう。携帯電話のサービスは「買ったら終わり」ではない。ネットワークの管理や保守、障害が起きたときのアフターサービスなどが重要になる。サービスの継続性という面で、楽天モバイルなら信頼感が得られる。

本稿で紹介した通り、次々に新たな取り組みを発表し、急速にサービスを拡大している「楽天モバイル」。今後も同サービスの進化に期待したい。

※記事中の料金・価格は全て税別