【レポート】

感染性胃腸炎を引き起こすノロウイルスの感染経路と症状を知る

 

ノロウイルスでダウンしないためにも、しっかりと感染経路を知っておこう

12月に入り、ノロウイルスによる食中毒や感染性胃腸炎の流行が懸念される。毎年この時期になると、ノロウイルスによる下痢や嘔吐(おうと)で苦しむ人も多いだろう。では、どのようなルートで感染してしまうのだろうか。ライオンのヘルスケアマイスター・山岸理恵子さんに、ノロウイルスの感染経路や生活環について聞いてきた。

ノロウイルスのライフサイクル

感染すると「吐き気」「嘔吐(おうと)」「下痢」「腹痛」などの症状を引き起こすノロウイルス。迷惑甚(はなは)だしいこのウイルスは、自然界でどのように存在し、どのような形で私たちの生活に関わってくるのだろうか。

「ノロウイルスは、ヒトの体内で増えて吐しゃ物やふん便として排出された後、下水を経由して川や海へと流れ出ます。また、汚染された海水を二枚貝が取り込むことで、貝の身にウイルスが蓄積されます」。

ノロウイルスは、意外と私たちの身近なところに潜んでいるというわけだ。また、ノロウイルスは凍結してもその働きを失わず、室温で乾燥した状態でも20日ほどは感染する恐れがあるといわれている。長く自然界で生きられるため、集団食中毒などが発生しやすいと考えられる。

熱に強いため、調理時には注意を

では、ヒトに感染する際に考えられる経路はどのようなものだろうか。

「自然界に存在しているノロウイルスには、汚染された飲料水や蓄積された二枚貝を摂取することで感染します。また、それらの食材を十分に加熱しないで食べたり、感染者が調理などをしたりすることで、感染が広がるケースもあります」。

井戸水や簡易水道など、消毒が不十分な可能性があるものを使用する場合には、注意が必要だ。ノロウイルスは酸に強く、胃液でも失活しないため腸まで到達してしまう。熱で消毒するには、85℃以上で1分以上の加熱が有効とされるため、自然界では失活しにくいのが特徴だ。

感染者の吐しゃ物やふん便に要注意

ほかに、どのようなシーンでの感染が考えられるだろうか。

「食事や飲み物以外からも、感染者の吐しゃ物やふん便からの『飛沫(ひまつ)感染』、吐しゃ物などが乾燥した後に残ったウイルスをホコリなどと一緒に吸い込んでしまう『塵埃(じんあい)感染』、吐しゃ物やふん便などを直接処理したことによる『接触感染』などが考えられます。そのほかに例えばトイレのドアノブなど、環境を介しての感染もありますが、最終的にはそのウイルスを口から取り込んでしまう経口感染で発症します」。

近年、ノロウイルスの感染報告件数は増加傾向にある。発生件数そのものの増加に加え、検査法の改善や認知度の高まりにより、報告割合が上昇したこともその一因と考えられている。

ノロウイルスは口から取り込まなければ感染しないので、できるだけウイルスを口に入れない生活をしていくことが重要。その生活環や感染経路をしっかりと理解して、ノロウイルスを寄せ付けない生活を心がけたい。

写真と本文は関係ありません

取材協力: ライオン ヘルスケアマイスター・山岸理恵子さん

ボディーソープほか、スキンケア商品の開発に長年携わった後、現在のヘルスケアマイスターとなる。商品開発の経験を生かし、主にライオン快適生活研究所にて健康で快適な暮らしのための情報発信に尽力している。

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