大型空調設備を扱う会社社長、トルコ人のタメルさん。従業員90名、年間利益は約300万ユーロ。現在トルコは経済成長期まっただ中で、景気は好調。さぞや仕事漬けの毎日かと思いきや、昼食はしっかりデザートまで楽しみ、週末は趣味のタンゴパーティーに参加していました!

ウール・タメル・オズカイナック/トルコ・イスタンブール在住/39歳/代表取締役社長

■これまでの仕事の経緯を教えてください 国立の工科大学で電気工学を学んだ。幼少のころから機械や電気製品をいじるのが好きで、実家の電気器具の修理は、父から一任されていた。学生時代、技術大国をめざすトルコでは、男の子の職業としてエンジニアリングはとても人気が高く、エンジニアになれば職にあぶれることは決してないといわれていた。

前職は、オフィス機器の会社でサービス・マネージャー。その後、創業者で社長であった兄(故人)のあとを継ぐ形で、今の会社の代表に。製薬会社、食品会社、繊維会社などの工場、病院の手術室用に、必要な温度・湿度を調整する大型空調設備を製作し、販売・設置する業務を行なっている。

■現在のお給料は以前のお給料と比べてどうですか?

現在のお給料は15,000トルコリラ(約75万円)。転職前のお給料は6,000トルコリラ(約30万円)。以前もエンジニアとしては平均的な金額だったが、現在は、トルコの生活水準に照らし合わせると、日本円で100万円以上のお給料額であり、十分満足している。

■今の仕事で気に入っているところ、満足を感じる瞬間は?

自社で作り上げたものを自分達で販売できるところ。新製品を開発したとき、お客様から喜ばれ、お褒めの言葉をいただいたたときに満足を感じる。

■逆に今の仕事で大変なこと、嫌な点は?

大変なのは、従業員を統率すること。嫌な点は、品質の高い商品を扱っているため、引き合いが多く、会社のキャパシティ以上の仕事を受注せざるを得ず、従業員に過剰な労働を強いたり、満足のいく仕事ができないまま納品しなければならないことがある点。

■ちなみに、今日のお昼ごはんは?

会社での給食。メニューは日替わりで、この日は、野菜と牛肉の煮込み、サラダ、マッシュルームのクリームスープ、ロールキャベツ、レンズ豆のマッシュ、ピラフ。 デザートは、カボチャの甘煮クルミがけ。

※トルコの一般企業では、昼食代は食事クーポン券で補助が出る。工場を併設している会社や公官庁は、給食、または食堂でランチを提供。食事を大事にし、食事時間はきちっと取るトルコの生活習慣が職場にもいかされている。

会社での給食の様子

■日本人のイメージは? あるいは、理解し難いところなどありますか?

トルコでの日本人のイメージは、正直、勤勉。好感度が高い。個人的には、頭が良く、信頼できる人々であるというイメージ。また、写真撮影がとても好きな人々だと思う。ちなみに寿司は大好物。

■最近TVやラジオ、新聞などで見た・聞いた日本のニュースは何ですか?

御嶽山の噴火ニュース。日本は、地震だけでなく、多くの種類の自然災害を受けているのに実際被害にあう人が少なく、防災先進国であるのだなという感想。

■休日の過ごし方を教えてください。

タンゴが趣味なので、週末の休みには、タンゴのレッスンや仲間と一緒にタンゴのパーティに参加している。長い休暇には海外旅行をするが、行った先でもタンゴ仲間と交流。そこで知り合った日本人の友人がたくさんいて、連絡を取り合っているよ。

■将来の仕事や生活の展望は?

将来は、会社の組織をもっとプロフェッショナルなものにし、社長の一存に頼ることなく、それぞれの担当者が責任を持って、業務にあたっていくような会社にしたい。最近購入したクルーザーで、世界を旅行したい。