ブロケード コミュニケーションズ システムズは12月5日、米国本社からCEO ロイド・カーニー氏を招き、「ブロケード エグゼクティブ・プレスラウンドテーブル」開催。同社は11月から新たな期に突入したことから、2015年度の事業戦略を説明した。

米ブロケード コミュニケーションズ システムズ CEO ロイド・カーニー(Llod Carney)氏

ロイド氏は「ブロケードはSANにおいて75%の支配的ポジションを占めており、勢いも付いている。特に日本は88%とグローバルで最も高いシェアをもっており、今後も支配的ポジションを維持していきたい。また、IPネットワークはマーケットの2倍で伸びており、大変順調だ」と、同社の好調な業績をアピールしたのち、FY15&FY16のビジネス目標として、「SAN分野でのリーダーシップ拡大」、「IPネットワークの売上拡大」、「SDN/NFVにおけるリーダシップの拡大」、パートナーシップ強化、ストレージのためのめっとワークのエクスパート」、「最高クラスのカスタマ・サービス」の6つを挙げた。

FY15&FY16のビジネス目標

同氏は、メインフレームの時代を第一世代、C/S時代を第2世代だとすれば、今はモバイル/クラウド時代になっており、数十億のユーザーに対し、数百万のアプリケーションを提供しなければならないと指摘。そして、「ブロケードはこの新しい時代のリーダーになりたいと思っている」と述べた。

モバイル/クラウド時代はなり新たなネットワークが必要

そして同氏は、新しい時代にはクラウドのためのネットワークである「The New IP」が必要だとした。

「The New IP」のフレームワークは、ハードウェア、サービス、コントロール、オーケストレーションの4つで、ハードウェアとしては、x86サーバとVCS ファブリック・テクノロジを搭載した同社のスイッチ、サービスはネットワーク機能を汎用サーバ上の仮想化環境で実現するNFV(Network Functions Virtualization)、コントロールはSDN(Software Defined Networking)のオープンソースプロジェクトOpenDaylight、オーケストレーションは、オープンソースのIaaS基盤構築ソフトの「OpenStack」で構成される。

「The New IP」のフレームワーク

ロイド氏は、このようなオープン・アーキテクチャによるソフトウェアで定義した「The New IP」を利用することで、GoogleやAmazonのように年間数十億ドルを投資しなくても、同様のネットワークを構築できるとした。また、今後は、NFVに置き換わることにより、ローエンド/ミッドレンジのスイッチはなくなっていくだろうとの見解を示し、そのため今後はインテルのアーキテクチャに注力していくとした。

国内戦略については、ブロケード コミュニケーションズ システムズ 代表取締役社長 青葉雅和氏が説明。

ブロケード コミュニケーションズ システムズ 代表取締役社長 青葉雅和氏

同氏は、「イーサネットファブリック(VCS ファブリック・テクノロジ搭載スイッチ)の好調で、VDXスイッチの出荷数は毎年50%以上の成長を遂げている。導入したクラウド/データセンター事業者からは、運用コストが下がった、サービスを展開するスピードが格段にあがったという評価をもらっている。これまでは、クラウド/データセンター事業者にフォーカスし成功してきたが、今後は新たに、テレコムNFV、プライベートクラウドはプライベートクラウドをパートナーとともに攻めていきたい」と述べた。

国内での3つのフォーカスエリア