セールスフォース・ドットコムは12月4日、東京・芝公園のザ・プリンスパークタワー東京および、東京・虎ノ門の虎ノ門ヒルズフォーラムにおいて、クラウドコンピューティングイベント「Salesforce World Tour Tokyo」を開催した。

Salesforce World Tourは、クラウド、ソーシャル、モバイルの世界において、企業がSalesforce Customer Success Platformを活用することで、アプリケーション、データ、顧客データをひとつにつなぐ環境を実現している状況を、事例などを含めて紹介。セールスフォース・ドットコムの役員およびスペシャルゲストによる基調講演、業界に特化した30以上のブレイクアウトセッション、最先端テクノロジーのライブデモなどが行われた。

事前登録者は8,500人以上、ライブストリーミングでの参加者数は30万人に達したという。

併催されたCloud EXPOの展示会場

午前10時から2時間を超えて行われた基調講演には、米セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフ会長兼CEO、セールスフォース・ドットコム日本法人 代表取締役会長兼CEOの小出伸一氏が登壇。「WELCOME TO THE CUSTOMER SUCCESS PLATFORM~新しいカタチで顧客とつながる」をテーマに、最新動向や同社の取り組みについて説明した。

セールスフォース・ドットコムの代表取締役会長兼CEOである小出伸一氏

小出会長兼CEOは、「今年10月に、米サンフランシスコで開催したDreamforce 2014は、ICT産業で最大のプライベートイベントとなった。その熱気、活気、エネルギーを東京でも体験してもらいたいと考え、今回のイベントを開催した」と説明。

また、「セールスフォース・ドットコムは、今年、創業15年目を迎えた。ここまでこれたのは、ここにいるみなさんのおかげである」と切り出した。

そして、セースルフォース・ドットコムが、社員の就業時間の1%、製品の1%、株式の1%をボランティア活動に費やす1:1:1モデルを行っていることを示しながら、日本における支援先NPOが500団体に達し、2014年における従業員によるボランティア活動時間が1万時間を超えたことを紹介。

国際NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表の土井香苗氏

ゲストで登壇した国際NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表の土井香苗氏は、「セールスフォース・ドットコムのツールは、寄付活動のために使用している。年に一度、300人が参加する大きなイベントを開催しているが、ここにも活用している。今後は、子供の人権保護活動に力を注ぎたい」と語った。

小出会長は、日本の市場に対する3つのコミットメントとして、「イノベーション」、「信頼」、「IT企業への投資」をあげた。

「イノベーション」としては、「セールスフォース・ドットコムには、パイオニアとして、新たな市場を開拓していく役割がある。そのために新たな製品や新たな機能を拡充してきた。このほど、Anlytics Cloudを発表したが、これは、従来のBIのように、専門性の高い人が難しいツールを使うのではなく、いつでも、どこでも、誰でもが分析できるクラウドサービスとして提供したものである。また、Salesforce 1 Lightningは、モバイル、ウェアラブルが指数関数的に増加するなかで、それぞれにアプリを作り込むのではなく、部品を組み合わせることでアプリを開発することができるものになる」とした。

「信頼」については、「当社の経営方針のひとつに『信頼』がある。2010年12月に国内初のデータセンターを開設し、信頼性の高いサービスを日本のユーザーに提供してきた。顧客の数が増加したこともあり、このほど、国内で2番目となるデータセンターを開設する。2つのデータセンターが完成することで、日本国内だけでバックアップできるジャパン・バックアップオプションを選択できるようになる」とした。

そして、「IT企業への投資」においては、「会社の成長だけでなく、我々には日本のクラウドマーケットを発展させる役割がある。将来有望なITベンチャー企業に投資をしてきたが、このほど2社にITベンチャー企業へ新たな投資を行うことで、Salesforce Venturesによる投資案件は国内20社目となった。これだけの日本の企業に対して投資している企業はない」と述べ、「我々は、過去15年間に渡り、イノベーションを作り上げ、新たな市場を作り、お客様の成長と成功を支援してきた。これからの15年、これからの100年も経営方針は変わらない。あくまでもお客様のビジネスの成功にために全社をあげて取り組んでいく」と述べた。