iPhone 6/6 Plusの目玉機能のひとつ「Apple Pay」。これまで複数回に分けて。Apple Payにまつわる素朴な疑問に答えてきたが、最終回となる今回は「Apple Payは成功するか」をテーマにする。

Apple Payの位置づけ

実店舗でiPhoneを使って決済が行えるApple Pay。このサービスは結局、Appleにとってどんな位置づけなのか。それについては。おそらくAppleにおける現状の「Apple Pay」は「iPhoneのサービス環境を良くしてユーザーをさらに囲い込む」以外の何物でもないと考える。

Apple Payは成功するのか

収益面から考えてみよう。Appleに関してかなりポジティブな予測を出すことで知られるPiper JaffrayのアナリストGene Munster氏は、Apple Payによる売上が2015年に1億1,800万ドル、2016年に3億1,000万ドルと予想しているApple会計年度で2014年度の年間売上は1827億9500万ドルで、これに照らし合わせれば2015年度で全売上のわずか0.1%だ。Munster氏がかなり数字を盛る傾向のある人物であることを考慮に入れれば、サービス部門の売上としては決して少なくないものの、Appleの業績を大きく押し上げることにはならないだろう。

今後、仮にApple Payに対応したiPhoneの比率が100%に近付いたとしても、その傾向は変わらない。おサイフケータイをみればわかるように、最初は物珍しさから多くのユーザーが飛びついて利用するものの、その後定常的に利用するユーザーの比率は減っていく。筆者の予想では、Apple Payによる売上はある一定水準まで伸びると停滞すると考える。