2014年12月3日から5日にかけて東京ビッグサイトにて「SEMICON Japan 2014」が開催されている。今年は従来のような半導体製造装置と材料メーカーによる展示に加え、特別展「World of IoT」など様々な新たな取り組みに挑んでいる同展示会。その特別展「World of IoT」には、半導体製造装置や材料とは異なるさまざまな分野の企業がブースを出展している。

中でも多くの人の注目を集めていたのが「ログバー」のブース。同社の社名に聞き覚えが無くても、同社が提供する指輪型ウェアラブルクラウドコントロールデバイス「Ring」は、ITガジェットに興味があれば、かなりの人が見た、もしくは聞いたことがあるのではないだろうか。

特別展「World of IoT」内に設置された「ログナー」ブースの様子

どういったものかというと、Ringを指にはめて、ジェスチャーをすることで、その動きに応じてスマートフォンなどの操作を行えるようにするといったもの。対応OSはAndroid/iOSで、用意されている専用アプリをインストールして、Bluetoothで通信することで、さまざまな機器を動かすことが可能になる。なお、サイズはS/M/L/XLの4種類で、価格は269.99ドル。現在、表参道ヒルズにも期間限定で店舗を展開している。

「Ring」の実物。右は実際にスマホに向けて操作をしている様子

また、半導体デバイス企業最大手のインテルもブースを出しているほか、ネットワークの雄であるシスコシステムズもブースを出している。インテルは組み込み業界でおなじみのEdisonやGalileo Gen2の展示を行っているほか、アクティブリンクが開発した2015年に量産予定のパワーアシストスーツと、搭載されているモータードライバー「SCI-CA-SEN-BAY」なども展示をしている。一方のシスコは同社が提唱するフォグコンピューティングの紹介や、農業へのICT活用といったソリューションの紹介を行っており、センサーネットワークモジュールやM2Mゲートウェイなどの実機の展示も行っている。

インテルブースに置かれている同社のプロセッサ搭載製品の各種。右の2つがパワーアシストスーツと、搭載されているモータードライバー「SCI-CA-SEN-BAY」

シスコのブースで見ることができる同社のICTソリューションを実現する機器各種

このほか、トヨタ自動車ブースでは、デンソーなどが協力して開発を進めるSiCパワーデバイスの紹介を行っている。SiCトランジスタやSiCダイオードのウェハの実物や、シリコンPCU(Power Control Unit)に比べて1/5のサイズに小型化されたSiC PCUなどの実物を見ることができるので、ハイブリッド車や次世代パワー半導体の動向が気になる人は立ち寄ってみると良いかもしれない。

トヨタ自動車のブースで見ることができるSiCパワー半導体のウェハと、それを用いたPCU。従来のシリコン半導体を用いたPCUに比べ、圧倒的に小型化ができることが見て取れる