「ビッグデータ」という概念の普及に伴い、多くのメディアでデータ活用の必要性が叫ばれている。先進企業の成功事例も広まりはじめ、対応を検討している企業も多いだろう。だが、実際に検討を始めようとすると、「具体的に何をどうすればいいか皆目見当がつかない」という担当者も多いようだ。

12月9日(火)、データ活用をテーマに開催するフォーラム「マイナビニュースフォーラム2014」では、そうした疑問に答えるセッションも用意されている。トレジャーデータ鈴木理恵子氏が登壇するセッション『データドリブンマーケティング実践に必要な分析基盤とは?』がそれである。

本稿では、同セッションのイントロダクションに触れながら「何をすべきか分からない悩めるマーケッターに向けた情報分析手法のヒント」をご紹介しよう。

マイナビニュース フォーラム 2014 Winter for データ活用」の参加申し込みはこちら(参加費無料、12月9日(火)開催、東京都千代田区、開場9:30~)

まずはマーケティングアクションを明確にすること

トレジャーデータ株式会社 エバンジェリスト 鈴木理恵子氏

ビッグデータの時代は、もはや目前まで迫っている。蓄積されたデータを如何にして売上伸長に活用するか。今後のビジネスの成否を左右する大きな至上命題となるだろう。

だが、多くの企業はデータを活用する土壌ができていない。おそらくデータ分析の必要性は感じていながらも、どこから手をつければいいのか分からずに頭を悩ませているマーケッターも多いのではないだろうか。

「何をすべきかを知るには、まず出口となるマーケティングアクションを明確にすることが必要です」――戦略/技術の両面から数多の顧客をサポートしてきた鈴木氏は、マーケッターが踏み出すべき最初の一歩についてこのように語る。

デジタルマーケティングのアクションとしては、大きく「メール配信の最適化」「スマートフォンアプリへのプッシュ通知」「ユーザーに対してのリコメンデーション」「広告出稿(表示)の最適化」の4つが挙げられる。まずはこの中から、求める出口が何かを洗い出す。そのうえで、PDCAのPlanを考えつつ、ターゲット選定、効果検証、改善などに必要なデータを集めることになるという。

例えば、「メール配信」を考えた場合、現在のところ、計測したクリック数を見て一喜一憂する程度で終っている企業がほとんどだろう。しかし、配信効果を高めるうえでは、顧客データやPOSデータ、Webアクセスログ、スマホアプリログなども活用しながら各ユーザーの趣味趣向を把握したうえで、ターゲットを絞り、購買/行動につながるコンテンツを用意するのが理想だ。セグメントに沿ったコンテンツ作成はまさにマーケターのセンスが発揮される重要なシーンだ。

ターゲットを決めて、その具体像やアクションを把握するためのデータを集める。そうした環境が揃えば改善も進めやすい。これまでのように徒手空拳で原稿を作り、効果が上がらずに途方にくれるという事態は避けられるはずだ。

では、具体的にどういったデータを収集し、そのデータを活用するべきなのか。また、スマートフォンやリコメンデーション、広告出稿においてはどういった施策が考えられるのか。詳細は12月9日のセッションで確認してほしい。

データ分析の流れ図。まずは出口となるマーケティングアクションを明確にすることが重要

データの収集・蓄積・分析を一任可能な世界初のデータマネージメントサービス
その具体的な活用術が明らかに

トレジャーデータは、芳川裕誠、太田一樹、古橋貞之の3人により、2011年に米国カリフォルニアにて設立されたIT企業である。同社が提供する「Treasure Data Service」(トレジャーデータサービス)はデータの収集・保管・分析をサポートするクラウド型データマネージメントサービスとして、2012年の発表以来100社を超える企業に導入されている。

当日のセッションでは、同社のシステムが導入された事例を元に、出口となるマーケティングアクションからデータの収集・保存・分析までの流れについて具体的な事例に基づいて解説する予定となっている。

「当日、基調講演が予定されている無印良品ネットストアのシステムでも、当社のTreasure Data Serviceが利用されています。私たちのセッションと合わせてご覧いただければ、システムも含めた具体的な施策についてもご理解いただけることでしょう。その他にも、マーケティングアクションごとに異なる事例をご用意しておりますのでご期待ください」(鈴木氏)

2014年11月には電通が提供するビッグデータ解析プラットフォーム「Dentsu.io」への採用が発表された「Treasure Data Service」。その確かな実績によって導き出された具体的なデータ活用事例は、日々のデータ分析に頭を悩ませているマーケッターに、大きなヒントを与えることになるだろう。