フィギュアスケーター・高橋大輔は、氷の上でなくても華麗に舞う!

フィギュアスケーター・高橋大輔さんがこのほど、都内にて開催された「TOKYO FM Hellosmile Cafe presents 女性限定3D試写会」にサプライズゲストとして登場し、現役さながらの踊りや初挑戦となるアフレコを披露した。会場に居合わせた約500人の女性がキュンキュンした一部始終をお届けしよう。

少女・クララの成長を描いた「くるみ割り人形」

この日の試写会で上映された映画は、チャイコフスキー作曲でもおなじみの「くるみ割り人形」。増田セバスチャン監督による同作品は、ねずみの大群に奪われてしまった大切なくるみ割り人形を取り戻すため、人形の国に迷い込んでしまった少女・クララの心の成長を描いたファンタジー映画に仕上がっている。

あいさつする増田セバスチャン監督

シュヌル王子役の声を担当した藤井隆さんは、同作品の大ファンだと話す

試写会前のイベント冒頭は、増田監督と同作品でシュヌル王子役の声を担当したタレント・藤井隆さんのみが登壇。藤井さんは、「今回、(映画の)仕上がりが本当に素晴らしいです。今までの3Dとはちょっと違う。監督の言葉を借りるのであれば、『のぞき込むような3D』です。皆さまもクララの心をのぞき込んでいただければと思います」とあいさつした。

高橋さんの登場に女性ファンがキャー!

イベントが着々と進んでいき、開始から10分を過ぎた頃にいよいよ高橋さんが登場。ワインレッドのジャケットに身を包み、人間大の大きさのクララと共に劇場の後方より現れた高橋さん。女性ファンは、高橋さんの姿を確認すると一斉に「キャー!」。クララをエスコートしながらゆっくりと壇上にのぼっていく高橋さんを、ある女性はうっとりしながら、またある女性は拍手をしながら見つめていた。

スケート時の衣装とはまた違う魅力が光る

「フィギュアスケーターの高橋大輔です。今日はお招きいただき、ありがとうございました」とあいさつした高橋さん。「くるみ割り人形」のテーマは女性フィギュアスケーターが競技に用いることも多いが、「今回(映画を)見させていただいたんですけれど、曲もすごいアレンジがあって、(これまでは)女の子のイメージだったんですけれど男の子でも(競技に)使えるなと思いました」と、作品中の音楽の表現方法が良かったと話した。

アレンジされた「くるみ割り人形」のメロディーが気に入ったそうだ

氷上と変わらない華麗な演技

「くるみ割り人形」にまつわる思いを伝え、登場からやっと一息つけた感のある高橋さんに、MCからある注文が入る。それは、「くるみ割り人形をイメージした踊りとポーズを披露してほしい」というもの。

高橋さんと踊りで対戦するとなって、戸惑いの表情を見せる藤井さん(右)だが……

不安もなんのその、軽やかなターンを決める!

やや戸惑いを見せる高橋さんより先に、まずはお手本として藤井さんが踊りを披露。「チャ~ラチャ~ラチャッチャララララッチャン」と、「くるみ割り人形」の有名なメロディーを口ずさみながら見事なターンとポーズを決めると、会場からは大きな拍手が起こった。

この様子を見ていた高橋さんは、「藤井さん、想像以上にたくさん……。どうしようかな」と、予想よりもはるかにしっかりと演技を見せた藤井さんに対して苦笑いを浮かべた。

演技前のポーズから……

大きく手を前後に広げ……

いざ高速スピン!

フィニッシュもバッチリだ

ただ、そこはさすがに世界で長年戦い続けてきた百戦錬磨のフィギュアスケーターだ。藤井さんが口ずさんだメロディーに合わせ、華麗なステップと目にも止まらないスピン、そしてフィニッシュのポーズをしっかりと演じきった。その動きのキレは、まるでスケート靴をはいて氷上にいるかのようだった。

決めポーズを取った後には思わず照れ笑い

低音ボイスに増田監督が声優オファー!?

ただ、高橋さんへの"試練"はまだまだ続き、今度は藤井さんとアフレコ勝負する羽目に。映画に出てくる二枚目キャラクター・フリッツになりきり、クララを相手にセリフを話して、どちらが「王子様度」が高いかを競うことになった。高橋さんは、「初めての経験。これが次の仕事につながれば」と、勝負前に笑いを誘う余裕? も見せた。

アフレコ用の台本に目を通す姿は真剣そのものだ

イベントの随所で見せた笑顔がとても印象的だった

今回も、藤井さんが先にセリフを披露。しっとりと情感のこもった口調に「先にやればよかった……」(高橋さん)。「僕はよく(セリフを)かむんで……」と前置きしておきながらも、「もう大丈夫かい? すっかり大きくなって……。見違えるくらい、きれいになったね」などと、普段とは違うしぶい低音でセリフを発した。

クララ(右)の目を見ながら、しぶい声色でセリフを読み上げた

終えた後は「恥ずかしー! 」と大照れの高橋さん。その表情は、クールな演技をしていたときとはまた違った魅力があった。増田監督は、「低音がすごく響く声をしているので、何か今度そういう役があればぜひ(声優として)お願いします」と絶賛。そのコメントを聞くと、「恥ずかしいけれど、やってよかった」といつもの「大輔スマイル」を見せてくれた。

観客の声援の大きさと増田監督の評価によって、アフレコ対決に勝利した瞬間のどや顔

スケートを離れ、新たな自分探しを

イベントを終えた高橋さんは、「(この日は)どんなことを経験するのも恥ずかしかったが、やってみると意外と気持ちが良かった」と晴れやかに話した。ただ、「くるみ割り人形」の踊りを披露したシーンについては、「陸の上だと(演技をするのが)難しい。やっぱり僕にはスケートしかないのかな」とやや不満げ? なようだった。

10月14日に競技人生からの引退を発表しておよそ1カ月半。少しはフィギュアスケートから離れた生活をしているかと思いきや、12月からはアイスショーが続くため、まだまだスケート中心の生活が続きそうだと話す。

それでも、「やりたいことを探しています。1年くらい(スケートを)離れて決めたいなと思っています」。

第2の人生をスタートさせるべく、新たな自分探しをしっかりとしていきたい決意を示していた高橋さん。この日のイベントで見せたチャレンジ精神とあの屈託のない笑顔があれば、きっとすぐに新しい天職が見つかるのではないかと感じた。

映画「くるみ割り人形」は、11月29日より全国にて公開されている