最後に特殊事例かもしれないが、この通話に関するContinuity機能で、筆者は非常に恩恵を受けることになったので紹介しておきたい。

筆者は米国カリフォルニア州に自宅があり、月に1度の東京出張がある。そのため、米国でメインのiPhoneを使いながら、古いiPhoneに日本のSIMカードを挿し込んで通話ができるようにしている。

ちなみに現在は、米国ではVerizonモデルのiPhone 6 Plus、日本では昨年使っていたVerizonモデルのiPhone 5s(はじめからSIMフリーだった)に、ドコモのSIM(「タイプXiにねん」で契約)を挿し込んでいる。

今までは、データ通信や音声通話を行うため、飛行機の中で、行く先の国のSIMをメインのiPhoneに挿し替えて使っていた。行った先の国で、メインのiPhoneで通話とデータ通信を行い、古いiPhoneのほうは音声通話とSMS主体のローミングで利用するという方式にしていた。

ところが、ドコモの新料金プラン以外での変更が不可能になったため、Xiにねんで維持しながらパケット定額をつけられなくなってしまった。そのため、WiMAX2+ルーターを使うようになった。

外出先でも、2台のiPhoneはWiMAX2+ルーターにWi-Fi接続されているため、前述のiPhoneへの着信を他のデバイスで着信する条件が整っていることになる。つまり、SIMカードを入れ替えなくても、VerizonのSIMがささっているiPhoneで、ドコモのiPhoneにかかってきた通話を受信できることになったのだ。

これは米国の自宅にいる時も同様だ。ローミング状態のドコモのiPhoneにかかってきた音声通話は、VerizonのSIMがささっているiPhoneで受けることができる。

この事例は特殊なパターンかもしれないが、例えばオフィスや自宅で、会社と個人のiPhoneを2台持っている場合でも、片方のiPhoneで通話が実現できる点は便利かもしれない。

これまで、ウェブやアプリといったインターネット側で発展してきたスマートフォンの機能だったが、ここに長らく変化がなかった携帯電話の通信機能が介在するようになった点は、非常に意味のあることだととらえている。