【レポート】

SC14 - ExaScaler/PEZY開発のKEKのスパコン「睡蓮」がGreen500で2位を獲得

 

11月20日に、スパコンの性能/電力を競うGreen500の新しいランキングが発表された。1位は、ドイツのGSI ヘルムホルツセンターの「L-CSC」というマシンで、5271.8MFlops/Wである。このマシンは「Xeon 2690 v2」をCPUとして使い、アクセラレータとしてAMDの「FirePro S9150」を使っている。

そして、高エネルギー加速器研究機構(KEK)に設置されているExaScaler/PEZYの「Suiren(睡蓮)」が、4945.6MFlops/Wで2位にランクされた。そして、前回チャンピオンの東京工業大学のTSUBAME-KFCは4447.6MFlops/Wと前回の4389.8 MFlops/Wからスコアを伸ばしたものの3位となった。

Green500で2位を獲得。右からGreen500主催者のバージニア工科大のWu Feng教授、ExaScaler CTOの鳥居淳氏、KEKの松永浩之氏、PEZYの齊藤元章社長

Green500 2位の賞状

Suirenは、Xeon E5-2660 v2を2ソケット、それに1024コアのPEZY-SCを2チップ搭載したアクセレレータを4台接続したものが構成単位のノードとなっており、全体では32ノードを4台のESLC-8液浸冷却槽に収容している。システム全体ではXeonを64個、PEZY-SCを256個使用しており、これでLINPACK性能187.1TFlopsを実現している。そして消費電力は37.8kWで、結果として4945.6MFlops/Wというスコアを実現している。

なお、ExaScalerとPEZYは、11月6日に153.7TFlopsで4020MFlops/Wという値を発表しているが、最終的にTop500やGreen500に提出した数字は、これらよりも20%あまり高い数字になっている。また、11月14日には191.0TFlops、4450MFlops/Wという値を発表しているが、これと比べると、最終的な性能は若干下がったものの、Green500の評価尺度であるMFlops/Wでは10%あまり改善しており、TSUBAME-KFCに差を付けた。

なお、SuirenはTop500では369位にランクされており、NVIDIA、AMD、Intel以外のアクセラレータを使っている唯一のマシンである。

Top500にランクインしたシステムの使用しているアクセラレータのシェア。1台であるが、PEZY-SCがパイチャートに入っている

PEZYの社長でExaScalerの創立者である齊藤元章氏は、「ExaScaler/PEZYは両社を合わせても技術者が20人あまりという小さな所帯であるが、小回りが利き、全員が一丸となってGreen500の上位入賞を目指して頑張った成果である」という。本当にTop500にランクインできるか、Green500で上位入賞できるか、直前までわからない状況であったが、とにかく頑張って、LINPACK性能を上げるチューニングと消費電力を減らすチューニングを頑張ったことで今回のGreen500 2位を実現できたという。

今後も、来年6月に向けて改善を続け、Top500やGreen500のスコアを改善して行く。また、それと並行して、KEKを始めとするユーザと協力してSuirenの利用を進めることと、ユーザからみた性能の改善に引き続き努力していくとのことである。

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