10月29日~31日に開催された「2014 Japan IT Week 秋」には、複数のIT関連展示会が集められた。その中の「第4回 スマートフォン&モバイルEXPO 秋」には、日本インフォメーションが出展。タブレットを手軽に業務活用することを提案する、各種ソリューションを展示したブースは、多くの来場者で盛況だった。

盛況だった日本インフォメーションのブース

テンプレート作成から活用までiPadで手軽にできる「フィールドレポート」

日本インフォメーションのブースでは、タブレットの業務活用が提案されていた。簡単に小規模導入が行えるソリューションの中で、特に注目を集めていたのが「フィールドレポート」の展示だ。

「フィールドレポート」は、帳票入力などをiPadで手軽に行えるようにするソリューション。テンプレートの定義を行うことで、街頭アンケートや保守点検業務、店舗監査、工場でのチェック業務、日報入力など、さまざまな用途に活用できる。

日本インフォメーション
企画開発グループ
河野雄一郎氏

「検査や監査といった、これまで紙で行っていた作業をデジタル化できる、というのがポイントです。今のところメインターゲットは、そのような業務のIT化があまり進んでいなかった製造業などです」と語るのは、日本インフォメーション 企画開発グループの河野雄一郎氏だ。

「すでに使っていただいている報告書などをiPadに取り込み、iPad上で項目の定義を行うだけで、入力用のテンプレートを作ることができます。チェック項目なのか、文字列を入れるのか、というような形で定義付けをしてサーバ上に保存します。エンドユーザーはそれを作業前にダウンロードし、現場で入力するという使い方です」と河野氏。実際にサンプルテンプレートを作成する流れをデモンストレーションしてくれたが、非常にスムーズな動きだった。

定義付けは、既存の枠に対して入力内容を指定するというやり方ではなく、画面上の好きな部分に枠を描くように設定できる。つまり、元の素材がExcelで作られたものや、システム上で生成されたフォームである必要はないのだ。

「ドキュメントからでもいいですが、画像に対しての指定もできます。書き込みを行っている紙しか素材がないという場合には、それをスキャンしていただいてもいいですし、iPadのカメラで撮影したものでも大丈夫です」と河野氏は語る。なんらかの形でベースとなるものが用意できさえすれば、テンプレート化できるという手軽さがポイントだ。

プルダウンメニューやチェックボックスなどを設定しておくことで、現場での入力負担は小さくなる。撮影した写真を貼り付けられるフォームも用意でき、さらに写真に対して書き込みを行うことも可能だ。

「店舗監査などで数店を回る際に写真を撮っても、どこが問題の部分だったのか、なんのために撮影したのかわからなくなった、というようなことが現場ではあります。また紙に記入したものを最終的にデータ化するのも二度手間です。現場でしっかりと入力でき、データの再利用などもしやすいというのが魅力のソリューションです」と河野氏は語った。

現場でエンドユーザーが、入力欄を空白部分に追加することも可能なので、手書きのときに欄外へ記入していたような使い方にも対応できる。もし多くのユーザーが欄外に記入するようなら、テンプレートに新たなフォームを追加することも可能で、簡単にブラッシュアップできるのが面白い。

入力内容が制限されている項目は、プルダウンメニューを活用

チェックボックスは触れただけで入力でき反応もいい

画像への書き込みやサインの入力など、タッチ操作を活かした機能も搭載

オンラインでもオフラインでもiPad 1台から利用可能

基本的な使い方は次の通り。あらかじめ作成したテンプレートをサーバに格納しておき、エンドユーザーが現場へ向かう前に、iPadへテンプレートをダウンロード。そして現場で数枚まとめて入力後、帰社したらサーバにデータをアップロードする。収集されたデータはCSV化されるので、後加工なども行いやすい。

「入力作業そのものはオフラインでできますから、WiFi版の端末でも利用できます。電波の悪いところでも、もたつくことはありません。数人程度の場合は普通のPCをサーバのように利用することもできますし、1ユーザーで利用するならiPadだけでも問題ありません。iPadが1台あれば利用できるのが特徴です」と、河野氏はその手軽さを強調した。

最小でiPadが1台あれば使い始められる「フィールドレポート」。その手軽さが魅力だ

採用例としては、製造業での点検業務や、レンタルDVDの店舗をチェーン展開している企業での店舗監査業務などがあるという。

「点検、監査、報告など、いろいろな業務において紙ベースの作業が行われており、帰社後のデータ入力がストレスになっていることは多いと思います。現場作業を快適にしたい、業務効率化を実施したいと考えているなら、ぜひ『フィールドレポート』の導入をご検討いただきたいですね」と、河野氏はその有用性をアピールした。