10月15日から17日の3日間、東京ビッグサイトで開催された「Cloud Days Tokyo 2014 秋」。クラウドの利用方法がますます高度化するなか、ビジネスにイノベーションをもたらすクラウドコンピューティングの最先端の製品/サービスが一堂に会したこのイベントには、バラクーダネットワークスも出展。そこでは、世界で認められたセキュリティレベルの高さと、日本語GUIなどによる専門知識不要で導入できる容易さで、国内でもシェアを大きく拡大させているという同社の新たな世界戦略を体現する製品群が披露された。

東京ビッグサイトで開催された「Cloud Days Tokyo 2014 秋」でのバラクーダネットワークスのブース

新世界戦略を体現する製品群が登場

既報の通り、イベント前日の14日に同社は、場所やデバイスに依存しない機密データへのアクセス、保存、共有の実現を目的とした新しい世界戦略「Data Protection Plus」を発表した。この戦略の一環として今回、「可用性」、「生産性」、「協業性」という3つのポイントにフォーカス。バラクーダ製品の企業ユーザーがそれぞれを向上できるような機能拡張が、バックアップ、メールアーカイブ、クラウドファイル共有サービスの3つの製品で実施されたのである。

"可用性"の向上に大きく貢献できるバックアップ専用アプライアンス「Barracuda Backup」。

まず1つ目の製品が、企業システムの可用性の向上に大きく貢献できるバックアップ専用アプライアンスの「Barracuda Backup」だ。この製品は、アプライアンスへのバックアップとクラウドを利用したオフサイトへのバックアップを実現、遠隔バックアップを容易かつ安価に実現できることから、国内でも高い評価を得ており幅広い業種での導入実績を誇っている。

最新版となるバージョン6.0では、クラウドまたはローカル環境における実装の柔軟性が拡張され、ローカル環境のみでの運用と管理も可能となった。具体的には、クラウドにある日本語Web GUIを利用してバックアップの集中管理が可能であることに加えて、ローカル環境でも細かいコントロールができるよう、ローカルWeb GUIが新たに強化されたのである。これにより、アプライアンスとクラウドのどちらにも偏ることなく、組織ごとのニーズに応じて、双方をより柔軟に活用して可用性を高めることができるようになったのだ。

完全に日本語化されたGUIを使った操作性も好評だ

続いて、可用性と生産性をより強化したのが、メールアーカイブ・アプライアンスの「Barracuda Message Archiver」だ。最新版のバージョン4.0においては、データをバラクーダクラウドに移動またはコピーすることが可能になり、アーカイブ能力が一層高まっている。災害等によって、アプライアンス側に蓄積したメールアーカイブを万が一消失したとしても、クラウド側にもレプリケーションしておくことで可用性の大幅な向上を図ったのである。

また、この新しいクラウドアーカイブ機能では、メールサービスが有効かどうかにかかわらず、あらゆるデバイスからのメールへのアクセスも可能となっており、キャパシティとオフサイトのディザスタリカバリ能力の向上も実現している。

素早いレスポンスのメール検索で業務の生産性を向上

「Barracuda Message Archiver」、数秒で的確な結果が表示される素早いレスポンスにGoogle AppsやOffice 365との連携

そしてアプライアンスに蓄積されたメールアーカイブに対しても、デバイスを問わずに必要な情報に瞬時にアクセスできる。これは、業務の生産性の向上に大きく貢献する。一般的なメーラーにも検索機能はあるが、膨大な量のメールアーカイブから該当する情報を見つけ出すとなると長時間かかってしまう。業務に支障が生じるなど実用性は極めて低い。しかしBarracuda Message Archiverの検索機能であれば、数秒で的確な結果が表示されるという、検索の素早いレスポンスと正確さにより、業務で活用できる情報の範囲を大幅に広げることが可能となるのだ。

加えて、Google AppsやOffice 365といったクラウドメールサービスのメールデータもアーカイブ可能なので、ライセンスコストの最適化も実現できる。なぜならば、これらのメールサービスもアーカイブ機能を備えているものの、ユーザーごとにライセンスが必要となっているため、例えばあるユーザーが退職した場合、アーカイブデータを保持しようとしたら、そのユーザーのライセンスコストを退職後も払い続けねばならない場合も想定される。

Barracuda Message Archiverであれば、ユーザー数に関係なくカバーする容量内であればアーカイブデータを維持し、全社的な情報共有を強化し続けることができる。社員の流動性が激しくなっている昨今、こうした違いは大きな差となってコストに反映されることだろう。

さらに、アプライアンスの容量が不足した場合には、追加分をクラウドにアーカイブすることも可能となっており、拡張性についても優位性を発揮するのである。

3つ目の協業性を高めるのが、クラウドのファイル共有サービス「Copy」だ。大容量、低コスト、そしてシンプルで使いやすいUIで人気の高いこのクラウドストレージだが、今回の機能拡張により、Barracuda Backupのバックアップデータを瞬時にリストアすることができるようになった。リストアした後は、そのままデータを共有することもできる。Barracuda Message Archiverについても、アーカイブデータをCopyサービスに共有可能だ。

このように今回のイベントは、バラクーダネットワークスの新戦略によって高まる可用性と生産性、協業性について、実際の製品やサービスに触れながら理解できる展示となっていた。展示ブースでは、日本語GUIの使いやすさを確かめる来場者の姿も多く見られた。アプライアンスだけでなくクラウドも含めて各種強化策を継続的に打ち出していくという同社の姿勢が明確に表れた内容だったといえる。