内向的な人と外向きの人、どちらが管理職に向いているか。オープンな性格でハッキリとモノを言うし、交渉事にも強そうな外向きの人と思いがちだが、Incの記事「内向きな人がマネージャーに向いている6つの理由(原題:6 Reasons Introvers Make Great Managers)」によると、実は内向的な性格であることが人を管理し、率いていく素養を備えているという。

記事では内向的な人がリーダーに向いている理由として、6つの要素を挙げているが、「なるほど」と思えるような良いリーダーになりそうな条件が並ぶ。早速見てみよう。

話す前に熟考する

内向きな人は物事を冷静に観察し、頭の中で状況を理解してから口を開いたり、行動をとるタイプが多い。リーダーは自分が話すよりも、部下やその上に立つ上司の話を聞くことが要求されるので、話すよりも聞き上手はもってこいの素養だ。

ただし、自分の考えがまとまった後にきちんと発言しないのは、単なる「内気」であって内向きではない。自分の意見を主張できなかったり、部下の間違いをきちんと適切に指摘できない「内気」さはマイナスになる。

状況を見ている

顔が広く、あちこちでうろうろしながらネットワーキングをしている外向きタイプは、じっくりと1つのチームやプロジェクトの進捗を追跡するのが苦手だ。

文脈やその前後関係を把握することなく、ピンポイントのスナップショットを見て、「あれが悪い」「誰がミスした」と指摘してしまいがち。それに比較して内向きなリーダーは「誰が何をしているか」といった状況把握が上手いため、問題の原因をしっかりとたどれる。

外の刺激が不要

リーダーであれば、机に座ってレポートの下書きをしたり、いくつもの数字を比較したりといった作業が必要であるため、まとまった時間が必要な作業をこなさなければならない。

外向きなリーダーのように世話焼きではないかもしれないが、部下/管理職の双方から見ても作業を確実にこなせる信頼に値する人物なのだ。

他人に花を持たせることができる

内向きの人は目立とうという欲が少ない。そのため、功績や手柄を素直に部下のものだと評価する。

プロジェクトの成果を全部自分のものにしてしまう上司は、部下の支持を得にくい。やはり内向きの素養が役に立つのだ。

感情の共有が上手

じっくりとチームをみているからこそ、問題が起こった際の解決策を、周囲に配慮しながら完結できる。

たとえば、チーム内に対立する意見があったとしても、両方の立場を理解しようとする。また、問題を指摘する際にその人の個性を尊重した形で伝えられる。

冷静さや自信で人を惹き付ける

一見すると、外向きな人ほど人を惹き付ける力やカリスマ性はないかもしれない。だが、内向きな人には「冷静さ」や「一貫性」「信頼感」などの魅力がある。きちんと練った事業計画や周辺状況を把握していることから出てくる自信は、外向きタイプとは異なるオーラになることだろう。

外向きな人ほどスピーチが上手ではないからといって引け目を感じることはない。あなたの落ち着きや、堅実さ、確実さは、きっと必要とされているはずだ。