ダイソンは20日、同社初となる加湿器「Dyson Hygienic Mist 加湿器 AM10」を発表した。あわせて同日、新製品発表会を開催。ダイソン 新技術開発デザインマネージャーのTom Bennett氏が登壇し、新製品のプレゼンテーションを行った。

ダイソン初の加湿器「Dyson Hygienic Mist 加湿器 AM10」(真ん中は分解したもの)

ミストを吹き出す「Dyson Hygienic Mist 加湿器 AM10」

「部屋を均一に潤す、最も衛生的な加湿器」というキャッチコピー

従来の加湿器では不衛生

「従来の加湿器は健康によいどころか、脅威にすらなりうる」と話すBennett氏

Bennett氏はAM10とともにステージに登場した。AM10は、ダイソン初の加湿器。見た目は"羽根のない扇風機"だが、風を送り出すループ部分の下には水を入れるタンクが設けてある。スイッチを入れると、輪っかに沿ってミストが吹き出す。

ダイソンは、加湿器が雑菌・バクテリアの温床となっていることに着目。既存の加湿器は超音波式、気化式、スチーム式、ハイブリッド式の4種類に大別されるが、スチーム式を除くいずれのタイプも、スポンジやフィルター部分がバクテリアの温床となり衛生面で課題を抱えている。スチーム式は水を沸騰させる段階で殺菌できるものの、加湿にムラが出てしまうというのが短所だ。

バクテリアが繁殖したスポンジやフィルターを通して部屋を加湿すると、空気中にバクテリアがまき散らされる。空気中のバクテリアを呼吸時に肺に取り込んでしまうこともあるという。

そこでダイソンでは、エンジニアたちに「衛生的なミストを均一に送り出す技術」を開発するよう課した。それから3年の歳月をかけてAM10が誕生。開発中に試作されたプロトタイプは643台にも及ぶ。

従来の加湿器では手入れが行き届かない箇所があり、不衛生になりがち

従来の加湿器で使用されていたフィルター。黒くなっているのはカビ

空気中に放出されるバクテリアの量。AM10は横軸にぴったりくっついている水色のライン

ダイソン独自の技術で除菌

AM10は、バクテリアを99.9%取り除いた水をミストにして室内をうるおす、衛生的な超音波式の加湿器だ。一般的にバクテリアが繁殖しやすいとされる超音波式でありながら、どのようにしてバクテリアを99.9%除菌するのだろうか。

それは「Ultraviolet Cleanse(ウルトラバイオレットクレンズ)」テクノロジーによって可能になった。Ultraviolet Cleanseテクノロジーとは、強力なUV-Cライトで水を除菌したうえで、最大毎時300mlのミストとして均一に送り出す技術だ。1秒間に最高170万回振動する圧電変換器によって微粒子となった水は、同社の「Air Multiplier(エアマルチプライヤー)」テクノロジーを利用して、均一に部屋に放出される。温度と湿度は、本体に搭載されている「インテリジェントサーモスタット」と「ヒューミディスタット」によって制御され、ちょうどいい温度と湿度をキープ。夏は扇風機としても使用可能だ。

電源入れて3分後には99.9%を除菌する(図中の「ターゲット」とは目標値のこと)

大腸菌を加えた水を加湿器にセットして、室内にどのくらいの細菌が放出されるかを測定する実験。室内に設置されたペトリ皿を見比べると、Hygienic Mistは大腸菌を放出していないことがわかる(左がHygienic Mist、右が一般的な加湿器)

本体はループの部分と水タンクとベース部分に分解できる

リモコンで操作する

リモコンはループのてっぺんにマグネットでくっつく仕様

Bennett氏の説明中も発表会の会場を加湿していた。近くで耳をすませていても気にならないくらいの運転音

温度と湿度をモニタリングして快適な湿度をキープ

ロボット掃除機「360 Eye」(写真左)とサイクロン式クリーナー「fluffy」(写真右)も展示されていた

ダイソンの加湿器「Dyson Hygienic Mist (ダイソン ハイジェニック ミスト) AM10」を実際に使用してみたレビュー記事はこちら