カメラ部とモニター部が分離するという斬新なスタイルで衝撃的デビューを飾った、カシオのデジタルカメラ「EXILIM(エクシリム) EX-FR10」。その開発には、実に3年もの歳月が費やされたという。

コンデジ市場でいわゆる高級コンパクト機が隆盛といわれる中、今までのカメラとは違う、新しいカテゴリーの製品を投入したカシオが意図するものは何か。今後の展望も含め、デジタルカメラ事業のトップである、カシオ計算機 執行役員 QV事業部長 中山仁氏にお話をうかがった。

EXILIM EX-FR10」の本体カラーは、オレンジ、ホワイト、グリーンの3色

新たな市場と需要を創出するのがカシオらしさ

2014年9月に発売されたFR10。そのスタートは予想以上に好調と、中山氏はいう。

カシオ計算機 執行役員 QV事業部長 中山仁氏

中山氏「今までにない反響の大きさです。話題性の高い製品になってくれていると感じますね。FR10は『こう使うのが正解』というのがないカメラですが、それが逆にお客様の想像力を刺激するんでしょうね。」

確かに、カメラ店の中を見回しても、FR10と競合するような製品は見あたらない。あえて挙げるならアクションカムがカテゴリーとして近いが、あちらは基本的にビデオ撮影のツール。ビデオも撮れるが、あくまで静止画撮影を基本スタンスとするFR10とは、用途も構造も異なる。

中山氏「開発を始めたのは3年ほど前ですが、最初はスマートフォンでコントロールするカメラとして企画していましたね。

でも、それだとスマートフォンのオプション品みたいになってしまって面白くない。そこで、ウェアラブルカメラという方向性も考えました。とにかくサンプルを作っては見直し、作っては見直し、の繰り返し。アタッチメントで頭部や腕に装着できるというFR10の特長は、ウェアラブル指向の名残です。」