ビックカメラは9月26日、新宿東口店「ビックロ」の4階に「音乙女(おとめ)ヘッドホン」コーナーをオープンした。「良い音を着飾ろう」をテーマに女性販売員がプロデュースした売り場で、ファッション感覚でヘッドホンを身に着けたい女性をターゲットにしている。

ビックロ 4階の「音乙女ヘッドホン」コーナー

ビックロはもともと女性客が多い店舗だ。ユニクロとビックカメラのコラボ店舗で、伊勢丹やマルイに囲まれたファッションタウンに立地していることもあり、週末には母娘連れや女性同士の来店が目立つ。オーディオコーナーでも半分以上が女性客だという。「最近ではハイレゾ音源の認知が高まり、女性も上質な音を求めて高級ヘッドを求めるお客様が増えました」と、このコーナーを企画した一人、ビックロ・オーディオコーナーの北畠智美氏は説明する。

「音乙女ヘッドホン」コーナー企画者の一人、北畠智美氏

しかし、「低価格イヤホンには可愛いデザインが多いけど、高級モデルになると黒や銀色のシンプルなデザインが多くなり、女性には選びにくかった」(北畠氏)。高級ヘッドホンの中にもファッショナブルなモデルはいくつかある。しかしこれまで、形やメーカー、価格帯で商品を分けた売り場だっため、ファッショナブルなモデルは埋もれてしまい、探しづらい状況だった。

今回、「音乙女ヘッドホン」コーナーでは女性目線で横断的にカテゴライズし、デザインから商品を選べるようにした。160平方メートルのコーナーにはヘッドホンが60アイテム、イヤホンが60アイテム、合計120アイテムを展示しているが、実は新たに仕入れたモデルはない。もともと売り場にあったヘッドホンをデザインで横断的にカテゴライズしたものである。

「これまで、カラーバリエーションは代表的な1色を展示して、あとは写真で見せるだけでしたが、音乙女コーナーでは全色を展示して、より自分好みカラーを選びやすくしています」(北畠氏)。

売り場カテゴリーは4つ。「Simple」=どんな服にも合わせやすいスタンダードなデザイン、「Cute」=ピンクや白を基調年モデルや丸みを帯びた可愛いデザイン、「Cool」=かっこよく男性・どちらでも使えるユニセックスタイプ、「Originality」=自分らしさを表現できる奇抜なデザイン――となっている。

女性ユーザーを意識して大きすぎず重すぎないモデルをチョイスしているが、デザイン面だけでなく、もちろん音質にもこだわって品揃えした。ゼンハイザーやAKG、Beats、フィリップス、オーディオテクニカなど人気の高級モデルがカラフルに並べられている。同コーナーを担当する女性店員もヘッドホンに精通しており、来店客の音のニーズに合った商品選びを手助けしてくれる。

デザインだけでなく、音質の好みに応じた提案も

「日頃よく聴いている音楽の好みから、最適なモデルを提案しています。女性ボーカルやメロディーラインが好きならAKG。クラブミュージックのように迫力の低音とシャープな高音のドンシャリ系が好きならBeats。クラシック音楽ならば中音域から高音域の伸びがいいオーディオテクニカなどがオススメですね」(北畠氏)。

展示品はすべて、自分の音楽プレーヤーやスマホにつないで視聴できる。視聴できる音楽を持っていない場合には店側でプレーヤーを用意してくれる。「ヘッドホンを購入する時には必ず試し聴きしてください。メーカー、モデル、価格帯によって音質は全く変わりますので、自分好みの音質とデザインを選んでくださいね」(北畠氏)。

女性客をターゲットにした売り場だが、恋人や家族へのプレゼントに男性客が購入する姿も多いという。もちろん、ファッションにこだわりのある男性が自分用に購入してもいいだろう。「こんなデザインのモデルがあったんだ」と新たな発見ができるので、男女問わず、ヘッドホンもファンションの一部と考えている人はぜひ一度訪れてほしい。