9月1日よりサービスが開始された「ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTE」は、ワイヤレスゲートが提供するLTE対応のSIMサービス。LTE通信に加えて、無線LANスポットの「ワイヤレスゲート Wi-Fi」を無料で利用できるほか、業界最安値の月額480円(税込)からのプランを用意。また、データ容量を追加して、高速通信を利用することも可能だ。

同サービスの特長については、別稿でも紹介しているが、最大のポイントは、公衆無線LANスポットを無料で利用できることだ。LTEと公衆無線LANを使い分けることで、コストを抑えつつ快適に通信することができる。

月額480円(税込)から使える「ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTE SIM」を試してみた

本稿では、実際にワイヤレスゲート Wi-Fi+LTEのSIMカードを利用し、使用感などを確かめるとともに、LTEと公衆無線LANのどのような使い分けができるかを考えてみたので紹介しよう。

公衆無線LAN込みで月額480円(税込)から利用できるSIMサービス

まずは、ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTEのサービス内容について簡単におさらいしておこう。

ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTEは、NTTドコモのXi/FOMA網に対応したSIMサービス。さらに、ワイヤレスゲートが提供する公衆無線LANサービス「ワイヤレスゲート Wi-Fi」の無線LANスポット(Wi-Fiスポット)も利用でき、飲食店や交通機関、商業施設内など全国約40,000カ所のWi-Fiスポットで高速通信を無料で利用可能だ。

料金プランは、「480円プラン」「920円プラン」「2,480円プラン」「5,490円プラン」の4種類。定額サービスでは業界最安値となる480円プランでは、月額445円(税込480円)で下り最大250kbpsのLTE通信を無制限で利用可能。また、920円プランでは、月額852円(税込920円)で下り最大150MbpsのLTE通信を月間1GB利用できる。なお、電話番号宛のショートメッセージを送受信できるSMS機能は、月額139円(税込150円)を追加することで利用可能(SMSの国内送信料は3円/1通)。

2,480円プラン、5,490円プランでは、SMS機能が標準付帯となり、2,480円プランは月額2,297円(税込2,480円)で月間5GB、5,490円プランは月額5,084円(税込5,490円)で月間10GBのLTE通信を利用することができる。なお、いずれのプランもLTE通信の月間データ容量を超過した場合、通信速度は最大250kbpsに制限される。また、データ容量の追加チャージも可能で、チャージ料金は500円(税込540円)/200MBとなっている。

提供されるSIMカードは、各プランとも標準SIM、micro SIM、nano SIMの3種類から選択可能。SIMカードの価格は、いずれも3,000円(税込3,240円)。購入は全国のヨドバシカメラ店舗および通販サイト「ヨドバシ・ドット・コム」で行うことができる。

ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTEのSIMカードを賢く使う上でポイントになるのが、無料で利用できるWi-Fiスポットをいかに活用するかだ。一般的なSIMサービスの場合、高速通信をたっぷり使うためには、データ容量の大きいプランを契約するか、追加容量をチャージする必要があるが、ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTEでは、Wi-Fiスポットを活用することで、データ容量のチャージなどのコストを最低限に抑えることができる。

大容量データをダウンロードしたいときにはカフェなどのWi-Fiスポットを利用し、もしも、近くにWi-Fiスポットがない場合には、データ容量をチャージしてLTEを利用するという使い分けによって、高速通信をストレスなく利用でき、なおかつ賢くコストを抑えることが可能になるだろう。

購入から利用開始まではスムーズ

続いて、ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTEのSIMカードの購入から利用開始までの流れを見ていこう。まず、同サービスのSIMカードのパッケージは、ヨドバシカメラ店舗またはヨドバシ・ドット・コムで購入可能だが、今回はヨドバシ・ドット・コムで購入を行った。

なお、ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTEはSIMカード単体での提供となるため、あらかじめ対応端末を用意しておく必要がある。また、サービスの申し込みには、クレジットカードが必要だ。

対応端末は、ドコモのXi/FOMAに対応したスマートフォンまたはタブレットのほか、SIMフリーのスマートフォンまたはタブレット。動作確認済の端末一覧は、ワイヤレスゲートのWebページで確認できる。今回、本稿で使用したのは、ドコモの7型Androidタブレット「AQUOS PAD SH-06F」(シャープ製)。タブレットながら、スマートフォンのように耳に当てて通話ができることなどが特長の端末だ。

ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTEのSIMカードを「AQUOS PAD SH-06F」で使用した

SIMカードを端末に到着し、電源を入れてAPN設定を行う

購入したSIMカードが届いたら、パッケージの台紙から取り外して端末に挿入する。次に、端末の電源をONにして、設定画面からAPN(アクセスポイント名)設定を行う必要がある。設定に必要なAPN情報は、パッケージに記載されているほか、ワイヤレスゲートのWebページでも確認することが可能。

設定画面の[無線とネットワーク]→[その他]と進み、[モバイルネットワーク]からAPNを設定できる

[アクセスポイント名]を選択し、APN一覧で新規APNを追加する

SIMカードのパッケージに記載されているAPN情報を入力して保存する

APN一覧で追加したAPNを選択すれば、APNの設定は完了

APNの設定後、Webブラウザを起動すると、自動的に申し込みページにアクセスできるため、氏名やメールアドレス、クレジットカード情報などの必要事項を入力すれば、申し込みは完了だ。その後、登録したメールアドレスに確認メールが届き、メールに記載されたURLから専用アプリのインストールを行うことが可能。専用アプリは、追加チャージの購入や高速モードへのON、OFFの切り替えなどが可能になるほか、様々な便利な機能があるので、是非インストールしておくとよいだろう。

Webブラウザからの申し込み後、専用アプリをインストールすれば、設定はすべて完了だ

以上の手順で、すべての設定が完了となり、LTE通信およびWi-Fiスポットでの高速通信を利用可能だ。SIMカードを入手したその日から利用を開始でき、設定手順もとくに難しくないため、スムーズに進められるだろう。

ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTE SIMを試してみた

それでは、ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTEを実際に使ってみた感想などを紹介しよう。

ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTEでは、普段は下り最大250kbpsのLTE通信を利用することになる。下り最大250kbpsというとそこまで高速ではなく、ネット動画の視聴や大容量ファイルのダウンロードには向かないが、Webブラウザでのサイト閲覧であれば、問題なく快適に利用可能だ。また、TwitterやFacebookなどのSNSアプリ、メール、ニュースアプリなども快適に利用できた。通勤途中にSNSをチェックしたり、ニュースアプリで情報収集などを行いたい場合には、最大250kbpsのLTE通信で問題なく利用できるだろう。

通常の通信速度でも、ニュースアプリの閲覧などは快適に行うことができた

専用アプリから周辺のWi-Fiスポットを検索することが可能

もしも、外出先で高速通信を使う必要がある場合には、ワイヤレスゲート Wi-Fiの全国約40,000カ所のWi-Fiスポットが役立つ。マクドナルド、スターバックス、ルノアールといった飲食店にWi-Fiスポットが設置されており、専用アプリで周囲のWi-Fiスポットを検索できるため、初めて訪れた駅の周辺でも簡単にWi-Fiスポットが設置された店舗を見つけられるはずだ。

ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTEでは、これらのWi-Fiスポットを無料で利用できるのはもちろん、利用する際にIDやパスワードを入力するといった手間も不要だ。実際に、某ファストフード店を訪れてWi-Fiスポットを利用してみたが、店に入ると端末がWi-Fiに自動で接続され、すぐに高速通信が利用できるのを確認できた。Wi-Fiスポットを利用して、休憩時にネット動画を楽しんだり、通勤電車内で読みたい電子書籍やコミックをあらかじめダウンロードしておくといった使い方ができるだろう。

実際にWi-Fiスポットが設置された店を訪れ、通信を試してみた

公衆無線LANサービスのWi-Fiに自動で接続され、設定する手間は不要だ

また、ワイヤレスゲート Wi-FiのWi-Fiスポットは、飲食店のほかにも、成田空港や羽田空港、東海道新幹線全17駅のコンコース待合室などの交通機関にも設置されている。そのため、飛行機や新幹線の出発前に、文書や画像のクラウドへのアップロードを完了させたいときなどにもWi-Fiスポットが活用できるだろう。

高速通信を使いたいが、近くにWi-Fiスポットがない場合には、“高速通信モード”で対処することができる。高速通信モードでは、各プランの月間データ容量やチャージしたデータ容量を使って、下り最大150MbpsのLTE通信を利用可能。専用アプリで高速通信モードをONにするだけで、すぐにLTEの高速通信を利用可能だ。

高速通信モードをONにすれば、下り最大150MbpsのLTE通信に切り替えられる

自動OFFを設定すれば、無駄なくデータ容量を利用できる

本稿では、データ容量が月間1GBの920円プランのSIMカードを使用したが、高速通信モードをONにすると、まず月間のデータ容量が消費され、それがなくなると、チャージしたデータ容量が消費される。なお、チャージした容量は、6カ月目の末日まで利用可能。

高速通信モードは、すっとONのままに設定できるほか、30分・1時間・2時間後に自動でOFFになるように設定することも可能だ。OFFにするのを忘れてデータ容量を無駄に使ってしまうことがないように、480円プランや920円プランの場合は、自動OFFを設定して必要なときだけ高速通信を利用するのがよいだろう。

高速通信モードでは「マップ」アプリなどもスムーズに閲覧できた

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このようにワイヤレスゲート Wi-Fi+LTEでは、通常の下り最大250kbpsのLTE通信とWi-Fiスポットでの通信、高速通信モードの下り最大150MbpsのLTE通信という3つの通信を上手く使い分けることで、必要なときだけ高速通信をストレスなく利用し、コストは最低限に抑えることが可能だ。高速通信を利用したいが、料金は安く抑えたいという人にとって、ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTEは有力な選択肢となりそうだ。