【レポート】

東京都・神楽坂の元本倉庫から知を紡ぐ施設「la kagu」誕生 - 写真23枚

松永早弥香  [2014/10/10]

本の倉庫から新たな知を紡ぐ場所。そんなイメージがぴったりなライフスタイルキュレーションストア「la kagu(ラカグ)」が10月10日、東西線神楽坂駅前にオープンする。

本の倉庫をそのまま生かした工業的でミニマルな空間にウッドデッキと2階につながらる大階段を加えた「la kagu(ラカグ)」は、隈研吾建設都市設計事務所がデザイン

20年眠っていた本倉庫が目覚める

「la kagu」のコンセプトは"REVALUE"。昭和40年代に作られた新潮社の本倉庫が原型なのだが、倉庫はこの20年間、使われることなく静かに神楽坂の街にたたずんでいたという。その中で有効活用できる方法はないかと動き始めたのは4年前のこと。サザビーリーグをパートナーにしてこの秋、「衣食住+知」のライフスタイルを提案する2階建て・総面積962.46平方メートルの「la kagu」が形になった。

巨大なフロアは1階にカフェ、ウィメンズファッション、生活雑貨を、2階にブックスペース、レクチャースペース、メンズファッション、家具を配置。"キュレーションストア"というように、ここには流行に流されず"昔からあるもの"や"これからも大切にしたいもの"に価値を見いだした一品一品がそろえられている。

室内階段の壁には"知の倉庫"を思わせる本棚をデザイン

小説家がつづるアイテムへの想い

「la kagu」の一番目に付くところには、「la kagu と書き手」と記されたコーナーが広がっている。これは期間限定のスペースで、今回は15名の小説家の名前とともに、メガネやブラウス、洗剤などライフスタイルと結びついた厳選アイテムが展示されている。

そして、アイテムの下には石田衣良氏や江國香織さんなどの小説家が、実際にそのアイテムを2週間使用して感じたことをつづったエピソードがしたためられている。今まで何気なく使っていたアイテムが作家たちの感覚を通してひとつの物語の主役なる、そんな発見にきっと出合うことだろう。

何気なく使っていたアイテムが愛おしくなる「la kagu と書き手」コーナー

おいしい肉をおいしいパンで

開放感ある空間に木のぬくもりを生かしたテーブル・チェアを配したカフェでは、"MEAT & BREAD"がコンセプトの料理を提供。フードキュレーターに鎌倉の人気店「LONGTRACK FOODS」の馬詰佳香さん、オペレーションにハム専門店「コダマ」を迎え、自家製ソーセージや欧州から直輸入した生ハムなどをふんだんに用いた料理がそろう。

8:00からはクロワッサンにハムやチーズなどを添えた「la kagu BREAKFAST」(ミニフレッシュジュース、コーヒー・紅茶付き、税込800円)を朝食に、ランチには野菜やハム、チーズをぎっしりはさんだ「GRILLED VEGETABLE SANDWICH」(コーヒー付き、税込950円)をチョイスするのもいいだろう。メニューは定期的に新しくなるようなので、その季節ならではの味も楽しめそうだ。また、コーヒーは鎌倉の名店「カフェ・ヴィヴモンディモンシュ」の堀内隆志氏が「la kagu」のために焙煎してくれる。

さらに「la kagu」前の広場では、11月から果物や野菜を中心に全国のとっておきの商品を扱う「lakagu market(ラカグ マーケット)」も定期的に開催を予定している。

「la kagu BREAKFAST」(ミニフレッシュジュース、コーヒー・紅茶付き、税込800円)

「GRILLED VEGETABLE SANDWICH」(コーヒー付き、税込950円)

開放的な中で気取らない食事を楽しむ

11月からは表の広場にマルシェが登場

個人書店×10店舗!?

10人の選者がキュレーションしたブックシェルフが並ぶ

特に「la kagu」ならではと言えるのが2階にあるブックスペースとレクチャースペース。今年は新潮文庫100周年という記念の年ということもあり、ブックスペースには新潮文庫が3,000冊並べられている。もちろん、購入も可能だ。その本棚をよく見てみるとちょっとした発見があるはず。ぜひ近くに寄って"触れて"いただきたい。

もうひとつ、本倉庫に元からあった本棚を使って行っている本の企画展示「〈10×10〉(テン バイ テン) - 10人の選ぶ、10冊の本 -」も必見だ。その名の通り、10人の選者にそれぞれ10タイトルずつ選書してもらった本を専用のブックシェルフに収納。本は新潮社以外のものもあり、1冊から購入することもできる。

1ブロック1ブロックがそれぞれ異なる世界観をもち、あたかも10冊限定の個人書店のよう。この10人は月に5人ずつ新しいセレクションに代えていくため、訪れる度にまた新しい"個人書店"をのぞき見ることができるようになっている。

併設したレクチャースペース「soko(ソーコ)」では、「知」を体験できる場所として作家のトークショーなど本にまつわるイベントを中心に、季節や行事に沿ったワークショップを実施する。また、神楽坂という場所に機縁した落語の口演など、体験できるイベントをも予定している。

3,000冊の新潮文庫に囲まれた「soko(ソーコ)」。この左隣に「〈10×10〉(テン バイ テン) - 10人の選ぶ、10冊の本 -」がある

現在、角田光代さんと河野丈洋氏による「もう一杯だけ呑んで帰ろう。@soko」(10月15日19:00~20:30、前売りチケット2,000円)や、蜷川幸雄氏を迎えての「「ダメ出しの理由」~村上春樹『海辺のカフカ』の稽古場から~」(10月21日19:00~20:30、前売りチケット2,000円)など、10月・11月に実施予定のイベントをホームページで紹介している。参加には事前予約が必要のため、随時チェックしてみよう。

"本当に良いもの"をまとうファッション

1階ウィメンズファッションでは、大手セレクトショップのバイヤーを務めた安藤桃代さんが、ハイブランドからベーシックなブランドまでの"本当に良いもの"をセレクト。また、ウェアラバウツの元デザイナー福薗英貴氏が手がける、2014年秋冬よりローンチのネイルも登場する。

また、2階メンズウエアは田中行太氏がディレクションを務め、50年代を席巻した"アメカジ"を感じられる洋服やヴィンテージのアイテム、さらにアウトドアグッズがそろう。そうしたアイテムの横に、さりげなく本が置かれている演出もにくい。

メンズウェアにさりげなく置かれた『遊歩大全』が気になって仕方ない!

ちなみに「la kagu」というネーミングは、一部のフランス人が発音しにくい神楽坂を"la kagu"と省略して呼んでいることに着想を得たそうだ。老若男女・国内外のあらゆる人にとって、知的で心地のいい空間・発想を提案する拠点になることを目指し、「la kagu」は神楽坂に新しい風を送り込む。

※記事中の情報・価格は2014年10月取材時のもの

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