三菱電機は9日、新製品となる「パーソナル保湿機 SH-JX1」を発表した。同日、報道関係者向けに発表会を開催。快適な睡眠をサポートするパーソナル保湿機で「新保湿スタイル」を提案する。

カラーラインナップは、ホワイトとピンクの2色

同製品は、就寝中に人の顔周りにスチームを噴射し、睡眠中の肌やのど・鼻の乾燥を防ぐことを主な目的とした製品。いわゆる"加湿機"が部屋全体を加湿することを目的としているのに対して、パーソナル保湿機は顔周りを集中して加湿する。

顔周りを保湿するというと、美容系のスチーム・ミスト家電を思い浮かべるが、そういった製品が10~20分程度の短時間で集中ケアを行う専用機であるのに対して、パーソナル保湿機は連続8時間の運転が可能。パーソナル保湿機は、加湿機とも美容系のスチーム・ミスト家電とも異なる位置付けの新カテゴリーとなる。

技術面での最大の特徴は、スチームを水平方向に75cm先まで吹き出せる点。高温のスチームは真上に向かう性質があり、そのままだと水平方向に送ることができない。それをスチーム吹き出し口の上に設けたもう1つの吹き出し口によって解消。ノズルのように伸びるもう1つの吹き出し口から常温風を吹き出して、スチームと混合させることにより、水平方向にスチームを届けることができる。また、約90度のスチームが常温風と混ざることで約45度まで温度が下がり、安全な低温スチームとして噴出できるというメリットもある。

上下2段の吹き出し構造を採用した、スチーム搬送技術の解説

全体の構造、仕組み図

従来のスチーム加湿機のスチーム搬送を解説する展示デモ。スチームは真上に向かってしまう性質がある

上部のルーバーをスライドさせることに、スチームの上昇を抑え、水平方向により遠く届ける

スチーム式の加湿機で、よく問題とされるいくつかのポイントがある。一例が消費電力だ。本製品の定格消費電力は210Wと一般的なスチーム式加湿機の半分程度。さらに、湿度が70%以上になると自動で運転を止めるセンサーを搭載しており、間欠運転を行う。これらによって、電気代は8時間で21円と従来機種の1/5に抑えられる。

本製品の1時間あたりのスチーム発生量は210ml。他の製品に比べると数値が小さいものの、これは用途を顔周りに限定しているためだ。そのため1晩を8時間とした場合、必要な給水量も少なくて済むことから、給水タンク量は970mlと従来の1/4の体積に小型化。そのほか、一般的なスチーム式加湿機に比べて結露が発生しにくいこと、運転音が27dB(ささやき声が30dB程度)と気化式加湿機に比べて静かであることなどもメリットだ。

本製品の裏側。幅15cmとスリムな本体

背面のカバーを外した内側にある給水タンク

容量970mlと小型で片手で簡単に着脱して持ち運べる

給水タンクの下は受け皿のみ。シンプルな構造で手入れがしやすい

三菱電機ホーム機器 代表取締役社長の田代正登氏は「従来の加湿機に満足をしている人は多くない。そこで新しいジャンルを開拓したい、と"睡眠中の保湿"をテーマに女性が中心になり、2010年から開発を開始した」と新製品の発売に至る経緯を説明。製品化にあたっては、独自のスチーム搬送技術を含め、採用されている12の技術が特許出願中だと明かした。

「従来の加湿機とは異なる、新しい価値や市場を提案していきたい」と語る、三菱電機ホーム機器代表取締役社長の田代正登氏

ベッドサイドでの使用例。本体サイズは幅150×奥行328×高さ277mmと枕元に置いても邪魔にならない大きさ

製品本体正面。操作スイッチは電源と切タイマーのみ。連続運転時で最大4時間、切タイマー運転時で2~8時間の設定が可能

常温風の吹き出し口には垂直方向に角度を調整するルーバーも。30度まで下向きに調節できる

本体のスケルトンモデル

高温スチーム発生部分にあるフィルターは、年に1回を目安に交換する