10月7日、千葉県・幕張メッセにて最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2014」が開幕した。東芝は「情報を身につける」がテーマのメガネ型ウエアラブル端末「東芝グラス」を参考出展。筆者も実際に体験してみた。

「CEATEC JAPAN 2014」の東芝ブース

東芝グラスが初めてお披露目。体験コーナーは大盛況だった

"メガネ"としての外観や装着感を追求した「東芝グラス」

東芝グラスは、投影モジュールが着脱可能になっているメガネ型のウエアラブル端末。情報を「身につける」というコンセプトで開発が進められている。東芝グラスの第一印象は、「わりと普通のメガネだな」。電子機器とはいえ、ファッション性にもきちんと配慮されている。装着感にもこだわったそうで、重量はおよそ42gと軽い(ちなみに筆者が普段かけているメガネは約20gだ)。投影モジュールを取り外せば、普通のメガネのようにツルを折りたためる。

装着すると、投影モジュールがプロジェクターの役割を果たして、特殊な構造の右レンズに情報を映し出す。料理中に次の手順や分量を表示したりと、サイクリング中に心拍数や天気予報を表示したり、手が放せない状況でも、ユーザーにとって必要な情報が目に飛び込んでくるようになっているのだ。使用時にはスマートフォンやパソコンとケーブルで接続する必要があるのだが、情報を「身につける」というからには、ぜひワイヤレスを実現してほしい。

東芝グラス。ケーブルにつなぎっぱなしだからか、投影モジュールは熱を持っている

ノーマルタイプ

スポーツタイプ

ゴーグルタイプ

ヘルスケアにも力を注ぐ

東芝はヘルスケア事業にも注力している。それを象徴するのは、2014年7月の社内カンパニー「ヘルスケア社」新設だろう。このたびの「CEATEC JAPAN 2014」にも、ヘルスケアブースを設けていた。

楽天と共同で女性向けの基礎体温管理サービス「楽天キレイ℃ナビ」を提供している。東芝の基礎体温計で測定したデータを、スマートフォンに転送。測定したデータをもとに、体温タイプ判定(基礎体温グラフから特徴を分析して6つに大別したもの)、ホルモンバランスチェックを行う。ユーザーの体調やタイプに合わせた「キレイUPアドバイス」機能によって、美容やダイエットへの助言をしてくれる。

すでに発売しているリストバンド型活動量計「WERAM1100」も展示していた。「WERAM1100」は自動で活動・睡眠状態を判定してモードを切り替える。また、より医療に特化した生体情報センサ「Silmee」も出展された。「Silmee」は胸部にゲルで貼り付けて、心電位、脈波、加速度、皮膚温を自動で計測。BluetoothかUSBケーブルで、スマートフォンやタブレット、パソコンに転送して蓄積していく。蓄積したデータは、医療機関における患者の見守りなど健康管理に役立てられる。

「楽天キレイ℃ナビ」使用イメージと東芝製の基礎体温計

WERAM1100

生体情報センサ「Silmee」

東芝の野菜づくり

東芝は野菜づくりのイノベーション「Clean Room Farming」を紹介するブースも展開していた。総合電機メーカーである東芝が野菜づくりというと、関連性がないように思う人もいるかもしれないが、東芝の技術力を結集して安心・安全な野菜を作ろうという取り組みなのだ。

半導体製造に使われるクリーンルーム、UV殺菌された水、野菜の生育に最適な人工照明、エアコンによる徹底的な温度管理など、最先端の技術を野菜づくりに活かしている。クリーンな状態で育てられた野菜はほとんど無菌の状態で、なんと葉物野菜でも保存期間は2週間以上とのこと(担当者)。

野菜づくりのイノベーション「Clean Room Farming」ブース。人工照明の制御によって特定の栄養素を多く含有する野菜を作ることも可能に

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