ここ最近、「格安SIMサービス」の話題をよく耳にする。市場ではどんなサービスが人気で、どこまで便利に使えるのだろうか。本稿では、2,000円前後で使える格安SIMサービスの情報をいくつかまとめてみた。そこから見えてくる共通項はあるだろうか。

本稿では2000円以下で使える格安SIMサービスの情報をいくつかまとめてみた

月額2000円前後のサービス

まず、月額2,000円前後でLTE通信が利用できるサービスをいくつか紹介したい。例えば「OCNモバイルONE(2GBコース)」なら、月額1,566円(税込、以下同)で月に2GBまでLTE通信が利用できる。3日間で366MBを使用すると通信規制がかかり下り最大200kbpsに落ちる。同社では50MB、80MB、1GBのコースも用意している。「b-mobile X SIMプランB」なら、月額1,625円で月に2.2GBまでLTE通信が利用できる。3日間で360MBを使用すると通信規制がかかり下り最大200kbpsに落ちる。b-mobileでは51MB、1.01GB、7GBのコースも提供している。

OCNモバイルONE(2GBコース)なら、月額1,566円で月に2GBまでLTE通信が利用できる

「楽天ブロードバンドLTE ライトプラスプラン」なら、月額1,811円で月に3GBまでLTE通信が利用できる。3日間で400MBを使用すると通信規制がかかり下り最大300kbpsに落ちる。「ぷららモバイルLTE 定額プラン」なら、月額2,036円で1日100MBまでLTE通信が利用できる(実質的に月間3GB)。通信規制がかかると下り最大200kbpsに落ちる。「mineo LTE月2GBプラン」は、KDDI(au)の回線を利用したMVNOサービス。月額1,706円で月に2GBまでLTE通信が利用できる。3日間で500MBを使用すると通信規制がかかり下り最大200kbpsに落ちる。

楽天ブロードバンドLTE ライトプラスプランのサービス内容

別稿でも紹介したが、月額1,000円以下のサービスでは、月に利用できるデータ通信量はせいぜい1GBまで。しかし月額2,000円前後を支払えば、それだけ利用可能な通信容量が増える。そんなイメージだ。格安SIMサービスで動画も視聴したい、という人は上記のプランを参考にすると良いだろう。

音声通話だって可能!

月額2,000円前後を支払えば、音声通話に対応したプランも利用できる。携帯電話の電話番号を変更しないで契約キャリアを変更する「MNP(番号ポータビリティ)」に対応したサービスなら、メインで使用しているスマートフォンを格安SIMサービスに変更することも可能だ。例えばIIJmioの「音声通話機能付きSIM(みおふぉん)ミニマムスタートプラン」は、月額1,728円~のプラン。通話料21.6円/30秒で音声通話が行える。LTE通信は月2GBまで利用できる(提供開始は10月1日から)。3日間で366MBを使用すると通信規制がかかり下り最大200kbpsに落ちる。「BIGLOBE LTE・3G 音声通話スタートプラン」は、月額1,728円~のプラン。BIGLOBEのサービス利用者は月額料金が割引になる。通話料21.6円/30秒で音声通話が行える。LTE通信は月1GBまで利用が可能。3日間で120MBを使用すると通信規制がかかり下り最大128kbpsに落ちる。

音声通話機能付きSIM(みおふぉん)のサービス詳細。10月1日より、データ容量の上限が倍増される

「So-net モバイル LTE +Talk S2」は、月額2,041円~のプラン。通話料21.6円/30秒で音声通話が行える。LTE通信は月1.5GBまで利用が可能。3日間で360MBを使用すると通信規制がかかり下り最大300kbpsに落ちる。「スマホ電話SIM フリーData」は、高速データオプションを任意で追加できるプラン。例えばLTE通信を月2GBまで利用する場合、月額2,052円~利用できる。通話料21.6円/30秒で音声通話が行える。3日間で360MBを使用すると通信規制がかかり下り最大200kbpsに落ちる。「U-mobile 通話プラス3GB」は、月額2,138円~のプラン。通話料21.6円/30秒で音声通話が行える。LTE通信は月3GBまで利用が可能。通信規制の条件は非公表。通信規制がかかると下り最大128kbpsに落ちる。

スマホ電話SIM フリーDataの提供するサービスの一例。音声通話(1,685円)+データ容量追加(367円)で、音声通話と月2GBまでのLTEが2,052円/月から利用できるという計算

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スマートフォンとセットで2,000円前後のサービスもいくつか出始めている。例えば「So-net モバイル LTE +Talk S2プラン」や、フリービットが提供するプランなど。これについては、次稿で詳しく紹介したい。

本稿では月額2,000円前後の格安SIMサービスをいくつか紹介した。1,000円以下のプランと比べて、2,000円前後のプランでは利用できるサービスにも幅が出てくる。特に音声通話が可能なプランは、利用者のメリットが大きいと言える。まず、MNPが利用できるということ。これにより、メイン端末を格安SIMサービスに移行することも可能となる。そして安定した通話品質が確保されること、固定電話にも電話がかけられること、警察や消防などの緊急電話が利用できることなど、070/080/090で始まる電話番号で音声発信できる利点もいくつか挙げられるだろう。逆に言えば、音声通話プランの付いていないサービスでは050で始まる電話番号で「IP電話」が利用可能だが、通話品質が安定していないなどの制約がある。充分に気を付けたい。

本稿で紹介したサービスは、ほんの一例に過ぎない。現在、様々な会社がMVNO事業に参入している。また同じ会社のサービスでも、オプションの有無など、利用者が自由にカスタマイズできる場合がある。利用にあたっては、よく下調べをした上で自身の利用環境に最適なプランを選択したい。