産休前に手取り給与の6カ月~1年分を貯蓄しておくことが理想だが……

産休・育休中、子育てに専念できるのはうれしいが、その間の家計が心配……という人も少なくないだろう。以前、ファイナンシャル・プランナーの伊藤亮太さんに、出産前に目標としておきたい貯蓄額について解説していただき、「手取り給与の6カ月分~1年分」と教えていただいた。今回は、既に育休に入っている方やこれから育休に入ろうとしている方であまり貯蓄がない場合、また育休中に少しでも節約したいと思われる方向けに、育休中にできる節約術について伊藤さんに教えていただく。

まずは出費の洗い出しを

産休前に貯蓄しておきたい額は「手取り給与の6カ月分~1年分」としましたが、すでに産休・育休に入っていて貯蓄額が少ない方は、育休中を何とか乗り切る必要があります。そのためのポイントは大きく2つ。まず、水道光熱費や通信費、生命保険料などの固定費に無駄があれば削ることです。

育休中は多少時間に余裕はできると思いますので、こうした毎月かかる固定費に無理がないかどうかを確認してみましょう。まずは一度、1カ月にかかる費用を洗い出すことです。その中で金額の大きいものから、削れないかどうかを見るべきといえます。

そしてもう一つのポイントは、仕事をしていなければかからないであろう費用をカットすることです。仕事をしていると、時間もない、面倒だということで、外食費やクリーニング代がかさんだりしていると思います。もしそうした費用がかかっている場合には、月に数万円浮く可能性も十分あるといえます。

こうしたコストカットにより、収入が減った分とまではいかないと思いますが、ある程度無駄は削れることでしょう。それでも生活費が足りない場合には、身内から援助してもらう、お金を借りるといった方法があります。例えば、東京都内の中央労働金庫、各信用組合などにおいては、「すくすく・ささえ」という子育てや介護と仕事を両立する人を支援するための融資制度があります。融資限度は100万円、金利も1.5%(平成26年4月1日現在)と低いため、こうした融資を利用するのも場合によってはよいかもしれません。

そして最後に、これら以外に重要視していただきたいことは、夫婦で育児を行うことではないでしょうか。育休中に限ったことではありませんが、どちらかがやるのではなく、一緒にやる。当たり前のようでなかなか難しいことだと思いますが、夫婦円満のためにもお互いに役割分担を決め、楽しい家族生活を送ることが何よりも生活をやりくりする大きな手段だと思います。