NTTドコモは9月30日、2014~2015年冬春モデルの新製品・新サービスを発表した。本稿では、今回の目玉のひとつである新サービス「Runtastic for docomo」および機能素材「hitoe」を採用したトレーニングウェアについて解説する。

新サービスを発表する加藤薫社長。Runtasticとhitoeの組み合わせによる新サービスが「Runtastic for docomo」だ

Runtasticは、iPhoneやAndroidなどのスマートフォンアプリとして提供されているトレーニング支援アプリ・サービス。これまで、有料サービスとして提供されていた同サービスを、ドコモが「Runtastic for docomo」として、同社ユーザー向けに提供する。利用料は月額350円で12月より提供を開始する。

サービスの詳細。6アプリとゴールドサービスが月額350円で利用できる

同サービスでは、提供されるアプリで取得した運動時間や距離、ペース、消費カロリー、移動経路などの情報を分析したり、コーチングを受けたりできる。友人などと活動記録を共有することも可能だ。

提供されるアプリは計6種類。まずランニング/ウォーキング向け「Runtastic」、サイクリング向け「Runtastic Road Bike」。このほか、「Runtastic Squats」「Runtastic Push-Ups」「Runtastic Pull-Ups」「Runtastic Sit-Ups」を提供する。

Runtasticアプリ。これはランニング用

地図上に走行ルートが表示され、距離や時間、ペースなどが記録される

アプリ内には30種類のトレーニングプランも内蔵しており、効果的なトレーニングができる。また、運動量に応じてドコモポイントが貯まる仕組みも用意した。

なお「Runtastic for docomo」では、既にRuntasticのゴールドサービス(有料サービス)を利用していた人はデータをそのまま移行できるとのこと。月額料金も月額500円から同350円に下がるため、よりお得になる。加えて、docomo IDがあれば、他キャリアのユーザーも利用することができる。

音楽を聴きながらのトレーニングも可能

ボイスコーチなどの機能も備えている

このほか、東レやNTTが開発した機能素材「hitoe」を組み込んだトレーニングウェア「C3fit IN-pulse」との連携機能も利用できる。

C3fit IN-pulseは、着用するだけで心拍数を測定できるトレーニングウェア。hitoeの部分を除けば一般的なウェアのため、デモブースの説明員によると、「伸縮性があって動きやすい。hitoeの部分も違和感はない」という。同製品は、ゴールドウインの直営7店舗でまずは販売を開始し、順次販路を拡大するとのことだ。

機能素材hitoeを組み込んだ「C3fit N-pulse」

ウェア側の胸の部分が膨らんでいるのがセンサー部。中央にある白い端末がトランスミッター

実際に着用してトレーニングをしているところ。受信した心拍数を表示している

なおC3fit IN-pulseで測定した心拍数は、別売の「hitoeトランスミッター 01」でスマートフォンに転送し、Runtastic上で管理することができる。

リアルタイムのデータ表示のほか、蓄積されたデータはWebブラウザ経由でも確認できる。リアルタイムに情報を共有できるので、例えばマラソン大会で現在の状況を共有して、友だちが応援する、といったこともできるそうだ

ドコモの加藤薫社長によれば、国内で週1回以上ランニングする人は570万人、サイクリングは290万人とされており、こうしたユーザーからの要望を受けての新サービスの提供だという。C3fitは、「着るだけで正確な測定ができる」(加藤社長)ことから、今後はより動きのあるサッカーなどのスポーツにも拡大していきたい考え。

ランニングやサイクリング人口は多く、トレーニング管理の要望も多かったそうだ

ドコモでは、ドコモ・ヘルスケアによる健康管理サービスも提供しているが、基本的な健康管理分野に加えて、Runtaticのような健康増進のためのサービスを提供することで、「トータルで健康分野におけるスマートライフ、健康管理を進めていきたい」という。「人間の基本的な関心事は健康」と加藤社長。それをドコモの目指す「スマートライフ」としてサポートしていくのが目標で、今後も関連サービスを強化していく考えだ。

(執筆:三谷真)