【レポート】

アイドルへの"好き"と恋愛の"好き"は違うのか

よく、同性だけで集まると、「アイドルや芸能人の誰々が好き」だという話になることがあります。また、「好きなタイプは芸能人でいうと誰?」という話になることもしばしば。

そんな時は、どうせ知り合えるチャンスもないよねということで、あくまで理想としてのイメージとして名前を挙げるだけにすぎないかもしれません。ですが最近では、会いに行けるアイドルということで"AKB48"がいたりと、アイドルがとても身近になってきました。

そんなアイドルたちを好きというと気持ちと、彼氏や彼女に対する好きという気持ちには、違いがあるものなのでしょうか。

「LOVE」と「LIKE」の違い

ところであなたは、LOVEとLIKEの違いってわかりますか。これもよく、「あなたへの好きはLIKEであって、LOVEじゃないの」っていったりしますよね。まずはここから、アイドルたちを好きというと気持ちと、彼氏や彼女に対する好きという気持ちの違いを考えてみたいと思います。

1970年にルービンという人が、愛や恋愛に関する実証的な研究をしています。ルービンは、愛は恋愛(LOVE)と好意(LIKE)によって成立し、恋人に対しては恋愛と好意の両方が、友人などに対しては好意のみが存在するということを明らかにしました。

これをきっかけに、心理学では愛や恋愛に関する研究が展開していきます。例えば、スタンバーグという人は愛情は、その人と仲良くなりたいという親密性だけではなく、情熱やコミットメントという3つの要素からなると指摘します。

ちなみに情熱とは、性的な達成を引き起こすようなロマンスや身体的な魅力のことです。そして、コミットメントとは愛するという強い意思や約束を意味しています。この3つの要素によって、恋愛は8つのパターンが生まれるのです。

例えば、親密性やコミットメントがなく、情熱のみが強い"一目ぼれ"のような愛、親密性のみが強い"友人関係"のような愛、親密性とコミットメントが強い"夫婦関係"のような愛など。ちなみに、親密性、情熱、コミットメントがともに強いのが完全な愛であり、その反対は表面的な人間関係だと解釈されます。

「アイドルのために、どんなこともできますか」

さて、話をアイドルたちを好きというと気持ちと、彼氏や彼女に対する好きという気持ちに戻しましょう。私たちは、いくらアイドルのことが好きとはいえ、その人のすべてを信頼し、一緒にいられないことを不幸だとは思ったりしないでしょう。

あなたは、あなたの好きなアイドルのために、どんなことでもできますか。きっと、それは無理だと思います。その意味で、ルービンが指摘したような恋愛の感情はアイドルにはわきません。

また、親しさや、そのひととつながっているという親密性の感情や、愛を生涯にわたって維持しようという意思もないですよね。いわば、のぼせあがっているような気持ちですよね。

これも、恋愛の感情とは言えません。つまり、アイドルたちを好きだという気持ちは、いわゆる恋愛感情ではないんです。

※写真と本文は関係ありません

著者プロフィール

平松隆円
化粧心理学者 / 大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
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