説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iOS 8にアップグレードしてから、バッテリー消費量が増えた気がします…』という質問に答えます。

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iOS 8にアップグレードしてからバッテリーのもちが悪くなった、朝充電しても夜までもつかどうか怪しくなったという声を耳にします。それが気のせいではないにせよ、アップグレードというタイミングでバッテリーの減るペースが変化することは大いにあり得る話です。

考えられる原因としては、OSの不具合が挙げられます。画面にエラーメッセージが表示されなくても、内部的にはエラーを連発しその処理のために負荷が生じていれば、よぶんにバッテリーを消費します。実際、「設定」→「一般」→「プライバシー」の順に画面を開き、システムログ(OSが不具合情報を残すために保存するテキストファイル)を確認すると、iOS 7の頃には見られなかったものが多数確認できるかもしれません。そうなるとOSの不具合である可能性が高く、OSのアップデートが配布されるのを待つしかないでしょう。

アプリが原因の可能性もあります。OSのメジャーアップグレードが行われるときには、アプリが参照するライブラリ(フレームワーク)の仕様が大幅に変更されるほか、iOSアプリの制作に使われるXcodeなどの開発ツールも大きく変わるため、それらに依存するiOSアプリも影響を受けます。iOS 8で不安定化したアプリも、iOS 8に対応したライブラリ/開発ツールで制作しなおせば、問題が解決されることもあります。つまり、アプリ開発元がiOS 8対応のバージョンアップ版を公開するまで待てば、不具合が解消される可能性大です。

いずれにしても、iOSのアップグレード前後で使い方が大きく変わらなければ、バッテリー消費が増える原因は「iOS 8」か「アプリ」のいずれかです。iOSはダウングレード(iOS 8→iOS 7)できませんから、iOS 8のバージョンアップを待ち不具合解消するか、アプリ開発元のiOS 8対応を待つか、どちらかを選ぶしかありません。

iOS 8アップグレード以前には見られなかったシステムログが多数ある場合、OSに不具合がある可能性があります