既報の通り、東芝とサンディスクは9日、三重県・四日市市で操業する半導体工場の拡張を発表。ここでは、四日市工場の概要や記者会見の内容、祝賀パーティーでのキーパーソンスピーチを取り上げる。

東芝とサンディスクは共同で、2002年からフラッシュメモリを四日市工場で生産しており、世界の約5割というNAND型フラッシュメモリのシェアを両社で持つ。

四日市工場、第5製造棟の外観

四日市工場の全体模型

今回、公開した第5製造棟・第2期の生産設備では、15nmプロセスを採用したNAND型フラッシュメモリの量産を9月から開始し、9月末から順次出荷する世界最先端の工場となる。第1期設備に隣接する第2期設備は、2013年8月には更地の状態だったが、9月には基礎工事を行い、11月に免震構造の工事を開始。2014年2月からは鉄筋による組み上げを始めて、5月にはほぼ鉄筋が組み上がったという。8月には外観がほとんど完成し、それから生産設備の導入を進めている。

今回の第2期分を含んだ第5製造棟は鉄骨2層5階建てで、建屋面積は3万8,000平方メートル。建屋と土地は東芝が担当。生産整備については、東芝とサンディスクが折半して導入している。今後、市場動向に応じて追加投資を行い、能力を拡充するという。

第5製造棟第2期分は、5階建てのうち、1階および2階をひとつのクリーンルームとして、4階および5階をもうひとつのクリーンルームとする構造を採用。中間階となる3階はミーティングルームやリフレッシュルームなどを配置し、社員が上下のクリーンルームにアクセスしやすい環境となっている。

どちらのクリーンルームも、クラス10,000の環境で管理(ここでいうクラスは空気清浄度を示すが、細かい基準と内容は割愛する。数字が小さいほど1立方メートルあたりの塵埃が少ない)。天井に配置されたフィルターを通じて空気を循環し、ゴミを排除してクリーン度を維持している。15nmの生産プロセスは、酸化、減圧気相成膜、リソグラフィー、ドライエッチング、不純物イオンの注入、プラズマ気相成膜、化学機械研磨、電極形成という工程をたどる。

第5製造棟・第1期のクリーンルームの様子(写真提供:東芝、サンディスク)

300mmのウエハは、「Foup(フープ=フロント・オープニング・ユニファイド・ポッド)」と呼ばれる箱に25枚単位で収納されて、自動搬送機で工程を移動。Foupはクラス1という高いクリーン度で管理されており、細心のクリーン対策が行われている。

自動搬送する機械は天井設置で、リニアモーター方式で移動。直接レールに触れない仕組みで移動できるため、摩擦によって生じるゴミなどを落とすことがないという。Foupは、秒速3.5秒、時速11kmで移動が可能だ。従来設備に比べて、移動を始める時間と止める時間を短縮して効率化を図り、生産設備の待ち時間を少なくしている。結果として、生産全体の効率化にもつながるという。新たな自動搬送システムでは、従来比で10数%の搬送効率の改善を図っている。

15nmプロセスで製造されたNANDフラッシュメモリの300mmウエハ

「Foup」(写真左)と、リニアモーター式で動く自動搬送装置(写真中央)。写真右は300mmシリコン単結晶

また、第5製造棟では、品質、生産、装置の3つを管理するCIM(コンピュータ・インテグレーテッド・マニュファクチュアリング)を導入。どの自動搬送装置を利用すると効率的か、どの軌道を通ると効率的かといったことを自動的に判断する。装置に異常があれば事前に検出するとともに、機械それぞれが持つ特性を判別し、調整を行いながら高精度な生産体制を実現するという。