手洗い、ちゃんとできていますか?(写真は本文と関係ありません)

子供の頃、親から「うがい・手洗いをちゃんとしなさい」と言われた経験がある人も多いことだろう。ただ、実はうがい・手洗いのやり方はかなり奥が深いのをご存じだろうか。

せっかくのうがいや手洗いも正しく行わないと効果が半減するだけに、ライオンのヘルスケアマイスター・山岸理恵子さんに「効果的なうがい・手洗い」を教えてもらった。

意外と洗えていない手洗い

山岸さんは「しっかり手洗いしているつもりでも、意外なところに汚れが残っています」と話す。手を洗う際は、せっけんの泡を手のひらや手の甲に行きわたらせたら洗い流して終わり、なんて人も結構多いのかもしれない。だが、手の場合は指先や手首、指の間に汚れが残っていることが多いという。

正しい手洗いは、

・まず時計やアクセサリーなどをはずす

・流水で手をぬらしてから、せっけんやハンドソープをしっかりあわ立てる

・手のひらと甲を洗い、指の間は手を組むようにしてこすり合わせる

・指先や爪の間は、手のひらの上で指先をこすりつけるようにして洗う

・親指を反対の手で包んでねじるように洗い、手首も同様にねじるように洗浄する。

正しい手洗いには時間がかかるのだ(ライオン提供画像)

それぞれの動作をすべて5回ずつ行って両手を洗えば、少なくとも30秒以上はかかるはずだ。せっけんの泡を流水で洗い流し、清潔な乾いたタオルで手をふいて終了となる。

「湿ったタオルは雑菌やウイルスが増殖しやすいので、必ず乾いた清潔なタオルを使いましょう。家庭のトイレなど共有しているタオルは、こまめに交換するなど注意が必要です」。

ただ、手の常在菌を洗い流してしまうため、洗いすぎも禁物だ。常在菌は、ウイルスや細菌の侵入から体を守ってくれるバリアー機能の役割をしている。しかし、過剰な手洗いや殺菌をしてしまうと常在菌の機能が低下し、手荒れや感染の原因になってしまうこともある。外から帰ってきたときやトイレの後など、適切なタイミングで手洗いをするようにしたほうがいいだろう。

うがいは水だけでも、しっかり予防効果がある

ではうがいはどうか。うがいをする際は、いきなりのどで「ガラガラガラ」としてしまいがちだが、実はこれはNG。まずは「ブクブクブク」と口の中をすすいでから吐き出し、あらためて「ガラガラガラ」とうがいをするのが正しいやり方だという。

「最初に『ブクブクうがい』をしないと、うがい時に口の中に存在している菌やウイルスをのどに届けてしまうことにもなりかねません。また、食べかすなどをすすぐ意味でも、まずは『ブクブクうがい』をしましょう」。

うがい薬を使う人もいるだろうが、予防の観点からすると必須ではないという。

「医薬品のうがい薬はあくまで治療目的のものなので、日常で毎日使うには強すぎる面があるかもしれません。予防効果で考えれば、水だけでもかまいません」。ただし、風邪などの流行が懸念されている場合などはうがい液の使用を推奨するという。状況に応じて使用するようにしたい。

「キレイキレイ薬用泡ハンドソープ(医薬部外品)」(左)や「キレイキレイうがい薬(指定医薬部外品)」などの市販製品をうまく活用して、手洗い・うがいをきちんと実施しよう

今まで「こんなに丁寧にうがい・手洗いをしたことがなかった! 」という人は、今日から早速実践してみてはどうだろうか。また、お子さんがいる場合はお子さんと一緒にトライしてみるのもいいだろう。

取材協力: ライオン ヘルスケアマイスター: 山岸理恵子さん

ボディーソープほか、スキンケア商品の開発に長年携わった後、現在のヘルスケアマイスターとなる。商品開発の経験を生かし、主にライオン快適生活研究所にて健康で快適な暮らしのための情報発信に尽力している。