消費電力とまとめ

ベンチマークの最後は消費電力。スペック上ではGTX 980のTDPは165Wと、GTX 780 TiやGTX 780のTDP250Wから大きく削減された。さて、実際の電力効率はどうだろうか。

ワットチェッカーを利用してシステム単位の消費電力を計測したのが次のグラフだ。IdleはOS起動後10分の最小値、Loadは3DMarkのFire Strike Extremeを実行した際の最大値をプロットしている。

あれほどのパフォーマンスを見せながら、GTX 980の消費電力はGTX 780 TiやGTX 780よりもかなり低く、ミドルレンジのGPUかと思ってしまうほどだ。

脅威的なワットパフォーマンスを実現、ハイエンドGPUに強力な選択肢が誕生

さて、駆け足でGeForce GTX 980のベンチマークをお届けしたが、大幅に消費電力を削減しながらも、既存のハイエンドモデルGeForce GTX 780 Tiをしのぐ性能となった。

今回はテストできなかったTDP145WのGeForce GTX 970の性能も気になるところだし、今後MaxwellベースのミドルレンジGPUが出てきたという場合のパフォーマンスなど、今後にも期待が持てる結果となった。Fermi世代のみならず、Kepler世代、特にGeForce GTX 600シリーズを使っているユーザーにとっても有力なリプレース候補といっていいだろう。

北米での参考価格はGeForce GTX 980が549米ドル、GeForce GTX 970が329米ドルとなっている。GeForce GTX 780 Tiの発表時の参考価格は699米ドルで、これと比べるといくぶん割安感がある。成熟した28nmプロセスの製品ということで価格を抑えられたのかもしれない。

国内での販売価格も気になるところだ。初値は"ご祝儀"込みで高値となるだろう。現在のところ、GeForce GTX 780 Ti搭載カードは安価なモデルで7万円台前半から購入できる。GeForce GTX 980もこのくらいの水準か、もう少し高めの価格で出てくるかもしれない。ただ、パフォーマンスも含めて考えると、ハイエンド志向のユーザーであれば、チェックしておきたい製品となりそうだ。