新宿三井ビルディング

三井不動産は16日、東京都・西新宿で「新宿三井ビルディング 40周年記念展示及び超大型制振装置見学会」を実施した。

同ビルは高さ223メートル地上55階建てで、西新宿高層ビル群の先駆けとなる存在。同ビルを運営する三井不動産は、東日本大震災を機に、防災機能を新築ビルと同基準にするための改修工事に取り組んでいる。

16日に行われた見学会では、日本初となる超大型制振装置「TMD」が報道陣に公開された。

振り子の原理で揺れを軽減

同社のオフィスビル事業の基本理念は「WORKERS FIRST~働く人に1番の場所であること~」。すべての働く人に高いレベルの安全・安心を提供し、快適で便利に働けるオフィスづくりを目指している。

現在屋上に設置中の「高層ビル用超大型制振装置TMD」は、振り子の原理を応用して地震の揺れを吸収する装置。TMDは従来、台風などの風揺れ対策で活用されてきた技術であり、同社と鹿島建設が日本で初めてこの技術を地震揺れ対策に応用・実用化した。同装置はオイルダンパーで揺れを制御するため、電気が不要というのも大きな特徴。大地震で停電が起こっても、正常に耐震装置としての役割を果たすことができるという。

屋上に設置中の高層ビル用超大型制振装置TMD

ビルディング本部 運営企画部 資産管理グループ 嶋田一郎氏はTMDについて以下のように語る。

「TMDを設置することによって、東日本大震災規模の地震であれば、揺れ幅の6割削減、揺れ時間の6分の1に短縮することが可能です。(築40年ながら)揺れ幅を最新鋭の超高層ビルと同じレベルに抑えることができるので、長周期地震動発生時におけるオフィスワーカーの安心感を高めることにもつながります」(嶋田氏)

ビルディング本部 法人営業統括部 新宿法人営業グループ 大原隆司氏(左)とビルディング本部 運営企画部 資産管理グループ 嶋田一郎氏(右)

TMDの設置などのハード面の強化について、入居企業からは「被災時の事業継続は同社にとっても大きな課題。最新ビルと同水準のバックアップをしてもらえることは心強い」「高層階でエレベーターの長時間停止が現実に起こると、業務の継続や帰宅にも大きく影響する。非常用発電機やエレベーターの耐震補強により安心感が増した」といった声も寄せられているという。

耐震装置が報道陣に公開された

TMDは、11月に4機が部分稼働、2015年4月には全体稼働の予定となっている。同社はTMD施工を行う鹿島建設とともに、「さらなる安心感の醸成」を実現すべく取り組みを継続させていくとのこと。

組み立てのためのクレーン

40周年記念展示も開催中