iPhone 6、iPhone 6 Plusの発売日がいよいよ今週末に迫ってきた。どの機種にするか、どのキャリアで契約するか、まだ迷っている人も多いことだろう。そこで今回、様々な利用シーンを想定した上で、2年間の利用料金の総額を算出してみた。その結果、最も安くなるのはau版を契約した場合だった。本稿で詳しい内容を紹介していこう。
端末の実質負担額は?
iPhone 6、iPhone 6 Plusを向こう2年間契約した場合、その利用料金の総額に影響するのは、端末の実質負担額、料金プラン、使用中のiPhoneの下取り価格、固定回線とのセット割、キャンペーン、利用者の現在の契約形態などの要素だ。そこでNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3キャリアの料金を、順を追って比較していきたい。まずは端末の実質負担額だが、以下の表のようになっている。なお本稿で紹介する価格は、すべて執筆現在のもの。今後、変更になる可能性があることをあらかじめご了承いただきたい。
この価格に毎月の利用料金が加算されたものが請求される。端末の実質負担額だけ見ると、一部の機種ではドコモ版が安く、au版とソフトバンク版が同等のように映る。しかし実際は、適用できる料金プランが限られているなどの制約がある。そこで、各社の料金プランを確認してみよう。
料金プランにひそむ罠に注意!!
NTTドコモでは、新規契約・MNPにおける旧料金プランの受付を終了している。このためiPhone 6に旧料金プランを適用できるのは、既存のドコモの機種変更の利用者のみに限られる。しかも旧プランを選択した場合、端末代金の月々サポートは受けられない。端末の実質負担額が高騰するので、これは現実的でない。KDDI(au)、ソフトバンクなら機種変更・新規契約・MNPのいずれの場合においても旧料金プランを適用できる。旧料金プランについて表にまとめると、以下のようになる。
続いて、新料金プランについて表にまとめた。公平のため、データ通信パックは利用者の多い「5GBプラン」適用時としている。ちなみにau版では利用できるデータ通信パックが2GB/ 3GB/ 5GB/ 8GB/ 10GB/ 13GBと細かく用意されており、3社の中で一番使いやすい。
通話定額の新料金プランでは、2,700円/月の費用は必須となる。この部分を削ることはできない。旧料金プランなら934円/月から利用でき、データ通信容量は7GBまで利用可能。したがって通話をしない人にとっては、旧料金プランがおすすめだ。
下取り価格に注力しているのは?
iPhoneの下取り価格については下の表のようになっており、KDDI(au)とソフトバンクの2社が買い取りに力を入れているのが分かる。なおこの価格で買い取りを行う期間は、9/19(金)~10/31(金)まで。還元方法については各社で対応が違う。NTTドコモでは「端末代金に充当(一括付与)」、KDDI(au)ではMNPは「半額を端末代金に、半額を通信料にする」、機種変更は「端末代金に充当(一括付与)」、ソフトバンクではMNP・機種変更ともに「月額通信料に充当(24カ月)」となっている。
ドコモ版のiPhone 5s/ 5c利用者は、機種変更では下取りを利用できない。au版、ソフトバンク版の旧iPhone利用者は、機種変更でも下取りを利用できる。ただソフトバンク版で機種変更すると、新料金プランの契約が必須となる。au版では新旧どちらも選択可能。他社からドコモ版のiPhoneにMNPする場合、選択できるのは新料金プランのみ。他社からau版あるいはソフトバンク版のiPhoneにMNPする場合、新・旧どちらの料金プランも選択が可能だ。このあたりの違いについても充分に注意したい。
固定回線とのセット割を適用!
KDDI(au)、ソフトバンクの利用者であれば、これまで通り固定回線とのセット割を適用できる。そこで、割引後の利用料金も以下に示しておきたい。旧料金プランなら月額5,524円、新料金プランなら(データ通信パック5GBの場合)月額6,590円となる(au、ソフトバンクとも共通)。NTTドコモは固定回線とのセット割を提供していない。
「au ひかり」やJ:COMなど数多くのサービスがセット割の対象になっているKDDI(au)の「auスマートバリュー」に対し、ソフトバンクの「スマホBB割」は対象となるサービスの数が非常に少ない。そのため、割引を適用できる利用者は限られている。ここにも注意したい。
iPhone 6/6 Plusの割引対応一覧 (※拡大画像はこちら) |
2年間の総額はいくら?
本稿では「iPhone 6、iPhone 6 Plusを契約するといくら必要なのか」をテーマに、利用料金のおさらいをしてきた。2年間の総額を安くしたい場合、新料金プランは不利になる。また、iPhoneの下取りプログラムや固定回線とのセット割は是非とも利用したいところだ。それを加味すると、一番良い契約方法は「旧料金プランが選択でき」「iPhoneの下取りプログラムに注力しており」「セット割の対象となる固定回線サービスが多い」au版のiPhone 6、iPhone 6 Plusを契約するのが最も良い選択肢であると言えるだろう。
NTTドコモの利用者がiPhone 5s(16GB)を、KDDI(au)とソフトバンクの利用者がiPhone 5(16GB)をそれぞれ発売時点より契約中と想定、KDDI(au)のiPhone 6(16GB)へ移行して2年間の契約を結ぶ場合、総額は以下の通りとなる(旧料金プランを選択、iPhoneの下取りプログラムおよび固定回線のセット割を両方適用したもの)。
では、他のキャリアを契約した場合はどうなるだろうか。例えばNTTドコモの利用者がiPhone 6(16GB)へ機種変更した場合、(端末代金11,664円)+(料金プラン8,000円×24カ月)=20万3,664円が必要となる。au版にMNPして同じ機種を使った場合と比べて、10万円以上の差額が必要となる。同様にKDDI(au)利用者、あるいはソフトバンク利用者がドコモ版のiPhone 6(16GB)へMNPした場合は、どちらも総額166,000円。このように、2年間の総額で計算してみると料金に大きな差が出てくる。契約時の参考にしてほしい。