Windows Server 2003 / 2003 R2のサポート終了まで、残すところ約10カ月。中小企業の中には、これから新しいサーバーにリプレースするという企業も多いことだろう。そんな中小企業の小規模オフィスへの据え置きに最適な国産の小型ビジネスサーバーがある。マウスコンピューターの「MousePro SVシリーズ」だ。

特色のあるコンパクトなサーバー

2015年7月15日(日本時間)に迎えるWindows Server 2003 / 2003 R2サポート終了に伴い、すでに多くの企業が約10年もの間使い続けてきたサーバーのリプレースを進めている。しかし、比較的小規模なファイルサーバー用途を中心に、未だに現役で使われているWindows Server 2003 / 2003 R2も多い。調査会社IDC Japanの予測によると、2014年末には日本国内で約25~26万台、2015年7月のサポート終了時点でも10万台以上のWindows Server 2003 / 2003 R2が稼働し続けるという。

特にリプレースが遅れていると言われるのは、中小企業の小規模オフィスに置かれているファイルサーバーだ。ファイル共有の用途として十分に機能しているため、リプレースの必要性を感じていない企業も少なくない。サポート終了を迎えるWindows Server 2003 / 2003 R2を使っていることさえ意識していない企業もあるほどだ。

サポートが終了したOSを使い続けることのセキュリティリスクはすでに多くの記事で語られているので、ここではWindows Server 2003 / 2003 R2の移行の選択肢について考えたい。中小企業の小規模オフィスにあるファイルサーバーの主な移行先としては、以下の3つが考えられる。

1、 最新のWindows Server 2012 R2が稼動するサーバーに買い替える
2、ファイルサーバーとして利用できるNASなどのネットワークストレージに置き替える
3、ファイルサーバーの代替となるクラウドサービスを利用する

株式会社マウスコンピューター コーポレート営業部 有藤俊氏

この3つのうち従来の操作性や利用形態をできる限り変えたくないというのなら、1が最も有力な選択肢となる。では、どんなサーバーに買い替えるべきなのか。

確実なデータ保護を考えると、本来は外部の堅牢なデータセンターにサーバーを置くほうが安心できる。しかし費用対効果を考えたとき、オフィス内にファイルが共有できるサーバーがあればよいという企業も多い。そんな企業に最適なのは、小型で設置場所を選ばない、信頼性と機能性に優れたサーバーだ。そうしたニーズに注目したのが、コンシューマー向けPCや「iiyama」ブランドのディスプレイで有名な国産メーカー、マウスコンピューターである。

「当社では『MousePro SVシリーズ』というコンパクトなサーバー製品のみを取り扱っています。あえてコンパクトなサーバーに絞ったのは、競合するサーバーメーカーが多い中で、明確な特色を打ち出すためです。このコンパクトさをメリットに感じていただけるお客様のみをターゲットにしています」と同社 コーポレート営業部の有藤俊氏は語る。

信頼性の高いパーツを厳選

小型ビジネスサーバー MousePro SVシリーズ(幅200mm×高さ273mm×奥行き337mm)

「MousePro SVシリーズ」の最大の特長は、幅200mm×高さ273mm×奥行き337mmというコンパクトな筐体だ。設置場所はA4サイズの紙のおよそ1.3倍しか必要がなく、オフィスのデスクの下にも置けてしまう。

コンパクトだからといって、ハードウェアの仕様に制限があるわけではない。スペックはBTO(Build To Order)対応になっており、CPUは2Core Pentiumから4Core Xeon E3まで、メインメモリは4GBから16GBまで、ストレージ容量も注文時に自由に選べる。有藤氏によれば「ファイルサーバー用途はもちろん、グループウェアサーバーやデータベースサーバーとしても十分に対応できます」という。

もちろん、サーバーだから信頼性の高いパーツが厳選されている。チップセットはインテル C222、これにECC対応メモリが組み合わされる。ハードディスクは企業NAS向けとして知名度の高いWestern Digital製のWD Red Pro、SSDにはインテルのデータセンター向け製品 インテル DC S3500を選択可能にしている。

「数あるサーバーの中からMousePro SVシリーズを選択したお客様には、『Xeonが安い』『ストレージ容量が増えても安い』という部分を高く評価していただいています。大手サーバーメーカー製品の場合、CPUはPentium、メモリは2GB、ハードディスクは500GBを標準スペックとして設定されていることが多く、BTOで必要なスペックを選ぶと高額になってしまいます。それに対し当社では、お客様のニーズに合う、ある程度の性能と容量を確保したモデルをピンポイントかつ低価格で用意しており、それが購入につながっています」(有藤氏)

例えばある建設会社では、各拠点や各部門に設置するファイルサーバー用途で、3TB×4の大容量ハードディスクを搭載したMousePro SVシリーズを導入した。採用の決め手は、MousePro SVシリーズが高性能と低価格を両立していたことだという。また、あるビジネスホテルチェーンでは、各ホテルに設置するビデオ配信サーバーとしてMousePro SVシリーズを導入した。この事例も大容量かつ高性能のサーバーを低コストで導入できることが、MousePro SVシリーズを採用した大きな理由になっている。さらに、データベースやOSのシステム領域で稼働するソフトウェアの高速化を目的として、SSDを選択するケースも増えているという。

Windows Server Essentialsがメイン

コンパクトな筐体とスペックの自由度に加え、MousePro SVシリーズの大きな特長となっているのが、OSの選択肢が豊富な点だ。なかでも中小企業のファイルサーバー用途に適した「Windows Server Essentials」が選択できることは大きな魅力となっている。実際にこれまで出荷されたMousePro SVシリーズはEssentialsが大きな割合を占めているそうだ。

「Windows Server Essentialsは、25ユーザー/50デバイス限定でCAL(Client Access License)を購入することなくサーバーにアクセスできます。当社のお客様は50名以下の中小企業が大きな割合を占めていますので、CALの説明が不要なEssentialsがメインになっています」(有藤氏)

また、Windows Server 2003 / 2003 R2からのリプレース用途として急伸しているのが、「Windows Storage Server Workgroup Edition」だ。Active Directoryドメインに参加できないEssentialsではなく、すでに稼働中のActive Directoryドメイン配下にファイルサーバーとして配置、データ保管領域からの段階的なリプレースを目的に、Storage Serverを提案しているとのことだ。もちろん、最終的には基幹システムやActive Directoryドメインを管理する「Windows Server Standard」もリプレースする前提である。

「当社のお客様にお話を伺うと、Windows Server 2003 / 2003 R2は、ファイルサーバーとして運用されていることが多く、Windows Server Standardではなく、EssentialsやStorage Serverで十分まかなえます。お客様の予算が限られていることも多いので、当社としてはStandardとCALを積極的に販売するよりも、EssentialsとStorage Serverを上手に活用する方法を提案しています。中小企業では専任のサーバー管理者がいない場合が多いので、低コストかつ分かり易くを意識しながら、サポート終了を迎えるWindows Server 2003 / 2003 R2から最新OSへの移行を1社でも多くサポートすることが、当社の役割だと考えています」(有藤氏)