ヤフーは9月18日、「トレンドの波」が体感できるSNS連動型バーチャルジェットコースター「ヤフー トレンドコースター」を16日~18日の3日間、東京・大手町の東京国際フォーラムで行なわれる「アドテック東京2014」で公開すると発表した。

同社は昨年より、広告領域で「アートとテクノロジーの融合」を掲げており、1年前に"インターネット広告の未来"をコンセプトにした「さわれる検索」を発表している。

さわれる検索では、3Dプリンタを活用して検索したワードを具現化して"さわれる"ようにしたものだが、今回も旬なデバイスとして注目されているヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」を活用して、新たな体験型の広告を作り上げた。

このSNS連動型バーチャルジェットコースターは、Oculus Riftを被りながらドライブシミュレーター「Motion-sim」に乗り込み、あたかも本物のジェットコースターに乗っているかのような体験ができる。

その上で、「Yahoo! リアルタイム検索」が重要な役割を果たす。リアルタイム検索は、TwitterとFacebookの公開された投稿を文字通り"リアルタイム"に検索できるもので、検索数の上下がグラフ化されて「今、どれほど検索ワードが話題になっているか」がわかるようになっている。

そのグラフの上下曲線を、ジェットコースターのコースとして見立てて、バーチャルジェットコースターとして体験できるようにしたものが、今回の取り組みだ。常にトレンドであり続ける用語であれば、高低差の激しいコースを体験でき、逆にトレンドに乏しいワードであれば、常に平坦なコースをたどることになる。

コースでは、Yahoo!検索ならではの特徴を取り入れており、コースの周りに「Yahoo! ニュースのトピックス」や「画像検索結果」「リアルタイム検索によって抽出されたツイート」などが表示される。

画像検索結果は、画像が表示されるだけではなく、多数の画像から得られた色情報から、平均的な色を抽出し、「空」の色が変わる。例えば、先週の夜に見られた「スーパームーン」を検索すると、空が夜の黒色に変わって、「ワード」が表わす世界観を楽しめる。

また、トレンドの最も高い位置から低い位置に落ちていく「下り坂」では、「スプラッシュする仕掛けを取り入れた」(ヤフー マーケティングソリューションカンパニー 内田 伸哉氏)とのことで、そのタイミングではドライアイスの煙が勢いよくかけられる。

今回のトレンドコースター提供には、スポンサーとして「Adidas」と「日清」「日産」が協力。Adidasや日産、カップヌードルと検索することで、専用のコースターが登場する。これは、トレンドコースターがマーケティングソリューションカンパニーの製作で、広告を楽しんでもらうことを念頭に置いたことが大きなキーとなっている。

ヤフー 執行役員 マーケティングソリューションカンパニー カンパニー長の荒波 修氏は、この試みを「新鮮な驚きを与えたかった」と語る。

「私たちは昨年から、アート×テクノロジーを標榜しています。最近のネット広告は、テクノロジーに偏り過ぎていて、感情に訴えかけるということが足りなかった。昨年のさわれる検索とは真逆の方向ですが、良い意味でのくだらなさにチャレンジしてみました」(荒波氏)

また、内田氏もさわれる検索とはまた異なる広告商品としての可能性について、コースターを以下のように評価した。

「前回は、広告主の方の商品を触れる形に作り上げたが、今回はトレンド自体が広告になる。その上で、楽しんでもらうことも含めて(訴求することで)広告の未来の形を見せられたのではないかと思っています。

ヤフーはネットのメディアだから、「ヤフーは楽しい」と思ってもらえることが大事。広告は嫌われ者という前提がある中で、どう楽しんでもらえるか。楽しんでもらえる広告であれば、SNSで拡散されるし、話題にしてくれる。そういう部分がとても大切だと思っています」(内田氏)

(左から)ヤフー マーケティングソリューションカンパニー 内田 伸哉氏、ヤフー 執行役員 マーケティングソリューションカンパニー カンパニー長 荒波 修氏、平成ノブシコブシの吉村 崇さん、徳井 健太さん

会見では平成ノブシコブシがコースターを体感。芸人ならではのオーバーリアクションで記者会見を沸かせた