日々の限られた時間の中で、育児や家事をこなさなければならないママにとって、"時短"の努力は一大使命。仕事と両立しなければならないワーキングマザーならなおのこと。便利な文明の利器をうまく活用して、毎日の暮らしの中でゆとりと余裕を生み出そう。ここでは、子育て中の主婦にオススメしたい家電をピックアップして、選び方や活用法のポイントを紹介していく。

今回のテーマは空気清浄機。花粉などのアレル物質の除去だけでなく、最近ではPM2.5汚染も気になるところ。デリケートな小さな子供を持つ主婦にとっては関心の高い家電の1つだろう。

国内外の多くのメーカーから発売され、価格帯も様々だが、そもそも効果的なのだろうか。子育て目線から言うと、筆者の答えは「Yes」。筆者宅ではこれまで複数のメーカーの空気清浄機の使用経験があるが、どの機種についても少なくとも言えることは、空気中を舞うホコリの量が減ったという点は共通。吸引方法や性能は機種によって千差万別ではあるものの、空気清浄機がないよりもあるほうがホコリがたまるペースは落ちる。床を這う赤ちゃんや背丈の低い子供がいると、床の上はなるべくキレイにしておきたいものだが、掃除機を頻繁にかけなかったとしても、空気清浄機がとりあえず最低限はキレイにしてくれる。

ただし、注意したいのは、空気清浄機というのは、空気の循環を促し、空気中の浮遊物質を吸引し、フィルター等でキャッチするのが基本的な仕組みである。ゆえに、フィルター等で溜まった物質を放置していると、効果がなくなるどころか、逆効果になってしまうこともある。

ということで、見逃されがちだが、実は重要なのはメンテナンス性なのだ。たとえ、掃除機をかける頻度を抑えることができたとしても、空気清浄機の定期的な清掃も不可欠。選ぶ際には、メンテナンスのしやすさも重視したい。

最近の空気清浄機は、空気清浄機能だけでなく、加湿器やイオン発生機能など、他の機能が一体化した製品が人気だ。1台で何役もこなすことができる多機能さに加えて、本体も省スペースだ。日本の住宅事情を考えると複合機タイプの商品はニーズにマッチしていると言える。

複合機タイプの主要な製品は、だいたい集じん用のフィルターは月に1回の清掃が平均的。フィルターで吸着したゴミやホコリを掃除機などで取り除くというお手入れが基本だ。しかし、これに加湿機能が付いている場合は、もちろん加湿フィルターのお手入れが別途必要。しかも給水して使用する加湿フィルターは雑菌やカビの発生原因となりやすく、手入れを怠ると、それらを空気中にばら撒いてしまうことになるので、その旨心しておきたい。

スウェーデン発の「ブルーエア」

「ブルーエア 450E」。主にリビング向けのシリーズで、21畳用のミドルレンジの商品。他に650E(39畳用)、270E(12畳用)が日本では発売されている

以上のことを踏まえて、子育て目線で見た場合の筆者の一番のオススメはブルーエアの空気清浄機だ。ブルーエアは空気清浄機専業のスウェーデンのメーカーで、製品は空気清浄のみの単機能モデルのみだが、空気清浄能力は国際標準機関のお墨付き。8畳用の「ブルーエア センス」は4万7,429円、21畳用のミドルレンジ「ブルーエア 450E」が7万6,000円(共に直販価格で税別)となっている。

ただし、難点なのは単機能機なのに、他メーカーの対応畳数が同等クラスの製品に比べて製品の本体サイズが大型なこと。また、製品価格も高額な上に、フィルターは半年ごとの交換。どう見ても割高感がある。

しかし、これは裏を返せば、メンテナンスの手間が少ないということ。フィルターは半年間で使い捨てなので、普段の手入れの必要がない。また、たとえフィルターの長期間使用可能を謳っていても、その性能をその期間維持できるという意味ではない。説明書どおりに定期的に清掃を行っていても、家庭で完全に付着物質を除去することは不可能に近く、年数に応じて目詰まりが起こり、性能の劣化を招くという点は頭に入れておいてもらいたい。

つまり、子育て世帯にとっては、空気清浄機を選ぶ際にも、コストを優先するか、手間を省くかという視点が必要である。

「ブルーエア センス」。8畳用の個室向き。インテリアに合わせて選べる6色展開で、センサーが手の動きを感知してノータッチで操作できるなどスッキリとシンプルなデザインと操作性の機種

とはいえ、住宅環境などによっては多機能型しか設置できない場合もあるので、そこは各家庭の事情に合わせて選ぶことも必要。その際は、これまで述べたようなメリットやデメリット、注意点などを熟知した上で、バランスの取れた1台を選定したい。