これが香港版カップヌードル「合味道」

香港在住の人に、「香港のスーパーで買える香港ならではの手頃なお土産」を尋ねたところ、「ならこれ!」とオススメしてもらったのが「杯麺(プイミン)」つまり、カップ麺である。特に日本人にとってなじみ深い日清食品の「カップヌードル」は、香港では「合味道」というネーミングで知られている。ただ、その味はもちろん、作り方も日本のものとは違っているようだ。

その味は12種類にも

香港のインスタントラーメンでは「出前一丁」が人気だが、同じ日清食品から「U.F.O」も香港に進出している。香港では「合味道」と記されているカップヌードルは、ミニ・オリジナル・ビックサイズがあり、日本と同じくご飯シリーズまである。ホームページでオリジナルサイズの「合味道」を見てみると、その味わいは12種類にも及ぶようで、「カレー海鮮味」「牛肉味」「香辣海鮮味」などと日本ではまず見かけない味もそろっている。

中でも特に気になるのが「XO醤海鮮味」だ。XO醤といえば、干すことで味が凝縮された貝柱やエビ、そして唐辛子などで作られた中華の高級調味料。これひとつあれば、"本格的"な味が楽しめるということで、香港土産にも重宝される一品である。その味が手軽に楽しめるなら……ということで、試しに買って帰ることにした。なお、筆者がスーパーで購入した時は7.3香港ドル(約100円)だった。

作り方は4通り!?

作り方がイラスト入りで丁寧に書かれている。が、日本人的には「え! 大丈夫!?」とちょっと思ってしまう

しかし、出だしから困惑……。パッケージをよく見てみると、作り方が4通りも書かれているのだ。

ひとつ目の「Original Method」と書かれた作り方は、日本でも知られている"熱湯を入れて待つこと3分"のよう。2番目に書かれていた「Microwave Oven Cooking Method」はコンビニでの調理方法のようで、白湯を入れて電子レンジで"2"を押してチン(2分ではなく香港のコンビニで共通の温め時間のよう)。そのあと1~2分待ってできあがり。

そして、3番目は「Domestic Microwave Oven」で、熱湯を入れて電子レンジで30秒と1~2分待ちで、ひとつ目の方法の短縮バージョンだろうか。最後の「Domestic Microwave Oven」は3番目と違って、水を入れて電子レンジで3分ということらしい。

いずれにせよ、香港では日本とは違う耐レンジ仕様のパッケージを用いている。そのため、同様の作り方を日本のカップヌードルでやると危険なので注意していただきたい。

XO醤海鮮味は辛くない、むしろ甘い

今回はオードソックスな熱湯をそそいで3分の作り方を採用することにした。ちょっと気になるのが、外観のデザインだと大き目のエビやイカ、タコがごろっと入っているようなイメージだったが、具の大きさはデザインほどではない様子。具材は、タコやエビ、貝柱、キャベツ、コーン、ネギ、ニンジンなどが入っていた。

待つこと3分。すくい上げた麺を見てみると、日本のそれとさほど変わらない印象を受けた。しかし、確かに味わいは日本にない味。XO醤というからには辛いのだろうと思っていたが、辛みはほとんど感じず、むしろ甘口と言える部類である。海鮮のダシがきいており、日本人にも食べやすい味わいに仕上げられていた。

デザインほど具は大きくないが、海鮮のほか野菜もいろいろ入っている

麺の見た目、食感は日本のそれと違いはなさそう

カップ麺をお土産にしようとすると多少かさばってしまうが、「日本にない作り方をするんだよ」というコネタとともに、友達に香港の味をおすそ分けしてみてはいかがだろうか。

※1香港ドル=13.2円で換算。記事中の価格は2014年6月取材時のもの