ところが、しばらくiPhoneを使ってみて、これは予想していたよりも快適だぞということに気がついた。何と言ってもタッチで画面を動かすインターフェースの気持ちよさだ。これに一度慣れると、ボタンをカチカチ押して少しずつ画面をスクロールする生活には戻れなくなった。画面を指ではじくスピードでスクロールの速さが変わるという仕組みは非常に直感的で、ボタンはもちろん、PCマウスのホイールを使うよりもずっと快適だった。

もう一つは拡張性だ。すでにApp Storeにはあらゆるアプリがそろっており、自分で自由に画面をカスタマイズすることができた。これもPCなら当たり前のようにできることなのだが、ガラケーでは難しかった。与えられた機能を使いこなすガラケーと、自分の好きなように拡張していくiPhone。筆者にとっては後者の方がはるかに魅力的だった。

ボタンというインターフェースから開放されたiPhoneのアプリは、ガラケーのそれに比べてはるかに使いやすくできていた。毎日のようにアプリをダウンロードしたり消したりを繰り返し、より自分にしっくりくるものを残していった。結果として、iPhoneはどんどん自分自身の生活に最適化され、なくてはならないものになっていった。 プライベートで大きく変わったのは、身に付けるものが少なくなったことだ。たとえばそれまでは、目的地までの地図や仕事で使う資料を印刷して持ち歩いていたのだが、iPhoneを買ってからは一切持つことがなくなった。特にGPSが使える地図アプリの便利さは圧倒的で、これ以降、国内で紙の地図を使ったことはない。

地図アプリの便利さは圧倒的!

また、iPhoneを買ってからiPodを持ち歩くことも少なくなった。最初の頃こそ、容量の関係からiPhoneとiPodは共存していたのだが、iPhone 4Sに変えたあたりで、完全にiPodの役割はiPhoneが吸収してしまったのだ。