24時間温かく人を迎え、ある時はカフェになり、ある時は住民票を交付し、ある時は銀行にもなるところ。それは、現代人にとって欠くことができない存在「コンビニ」である。コンビニには、セブン-イレブンやローソン、ファミリーマートなど全国的に知られた大手がある一方で、特定エリアにしかないものもある。中でも九州で展開している「エブリワン」は、大手を凌駕するフルサービスで地元民の心をガッツリつかんでいるのだ。

奄美大島の時刻はただいま24時。店の前には客の自転車が並ぶ

九州人の心のよりどころ

「エブリワン」はココストアウエストが展開しているコンビニで、平成6年(1994)11月 に、熊本市内にて第1号店の「エブリワン須屋店」をオープンした。そして、今年の11月には20周年を迎える。2003年には九州全県に出店し、同年に離島である奄美大島(名瀬市)にも進出、2011年5月現在、九州に330店舗を構えている。

手付かずの自然の宝庫である奄美大島はというと、コンビニに限らず、大手を見かけることは非常にまれである。地元の人に聞いたところ、スターバックスやマクドナルド、セブン-イレブンと言った全国でよく見る"顔"はないそう。以前はケンタッキーフライドチキンがあったようだが今は撤退してしまい、唯一あると言えばモスバーガーらしい。びっくりしたのが、金沢カレーの「ゴーゴーカレー 奄美大島スタジアム」。奄美市役所からも近い島の中心部に店があり、昼時にはビジネスマンたちが店の前で列を作るそうだ。

クルマでの来店もOK

「出来たて」「焼きたて」が売り

「お店に"厨房"があるコンビニ」

そんな奄美大島で、「みんなが大好きなところ」と地元の人たちが言うのが「エブリワン」である。島のいたるところでオレンジとブルーの「エブリワン」を見かけ、星が輝く深夜でも客足は途絶えない。

「エブリワン」は店内で作るお弁当・店内で焼くパンを売りにしており、「ゴーゴーカレー 奄美大島スタジアム」からも近い「名瀬港町店」に訪れた時も、目立つところに「お店に"厨房"があるコンビニ」と書かれたポスターが貼られていた。

早朝の惣菜コーナー。まだ仕込み途中だったが、惣菜はテーブルいっぱいに並ぶ

お弁当・惣菜には他の陳列棚とは違う専用の棚を用いてレイアウトし、好きな惣菜を自分で詰められるようなコーナーも用意。そして「ばくだんおにぎり」である。

そもそも「ばくだんおにぎり」は沖縄県糸満市発祥のようだが、奄美大島の人に聞いたところ、「野良仕事のお弁当代わりに、色々な具材をご飯の中に詰め込んだ」ことも、現在のような巨大なおにぎりになるきっかけだったとか。「エブリワン」では「鮭・昆布・明太子・高菜」などと3~4種の具を詰め合わせおにぎりが数種類並び、"爆弾"の名にふさわしい大きさで、どれも200円程度というコストパフォーマンスの高い一品だ。

よくよく見てみると、ノリの代わりに薄焼き卵でご飯を覆ったものもあり、さらにその上にポークランチョンミートをのせたものまであった。ここまで来たら「お弁当にしてしまった方が食べやすくていいのでは?」と思ってしまうのだが、手軽に楽しめるお得な一品として"おにぎり"のままにしておきたいのかもしれない。

名物の「ばくだんおにぎり」も様々な種類を用意。どれもボリューム満点だ

コンビニの中にパン屋!? イートインスペースまで

一方、パンはパンでまた別のコーナーを設置。コンビニの中にパン屋さんがあるという感じだ。その奥には調理スペースがあり、時間によっては調理中の様子もうかがえるのだろう。地域柄か、熊本や沖縄名物の商品も並んでいた。なお、店内には100円から展開するカフェやイートインスペースもあるので、焼きたてパンとともにコンビニで朝食を、というのも可能だ。

店内に設けられたパンコーナー。パン屋として独立できそうなくらいの規模

100円コーヒーで小休止も可能

そのほかの商品を見てみると、黒糖菓子や黒糖焼酎など奄美特産の品々もあるので、ちょっとしたお土産として購入するのもいいだろう。もちろん、最近のコンビニでは必須とも言えるATM(鹿児島銀行)も備えている。場所によっては24時間営業ではないところもあるようだが、「エブリワン」ではきっと、大手にもないきめ細かなサービスを実感することができるだろう。

鹿児島銀行のATM

ホテルで飲むもよし、お土産にするのもよし

せっかくなら奄美の天然水を

黒砂糖など、奄美名物も自然な様子で陳列

※記事中の情報・価格は2014年8月取材時のもの