「遊園地でアトラクションを思いっきり楽しみたい!」なら秋がねらい目。暑さも落ち着き始め、混雑具合も緩和されてきて、"プール混雑"と"クリスマス混雑"の間のこの季節が穴場なのである。そこで遊園地をもっと楽しめるよう、話題にしたくなるアトラクションを紹介しよう。今回のテーマは「造形美なジェットコースター」。芸術の秋を芸術的なジェットコースターで楽しんでみてはいかがだろうか。

闇夜に輝く「ジュピター」。ジェットコースターの造形美とスリルさは比例する!?

「ジュピター」- 城島高原パーク(大分県別府市)
日本で初めて作られた"木製"のジェットコースター。"もくせい"だけに「ジュピター」という名前が付けられている。木々に囲まれた中に作られており、まるでぞびえ立つ木製の山のよう。夜にライトアップされるとさらに幻想的な遺跡のようにも思えてくる。
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「レジーナ」- 東武動物公園(埼玉県宮代町)
イタリアで"女王"を意味する「レジーナ」は、東武動物公園にある木製のジェットコースター。さきほどの「ジュピター」が男性的であれば「レジーナ」は女性的なイメージ。湖に寝そべった女王のような曲線を描いたフォルムで、下に広がる湖の水面にも映し出された姿も美しい。
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"女王"の名にふさわしい優雅な「レジーナ」

「サーフコースター リヴァイアサン」- 横浜・八景島シーパラダイス(神奈川県横浜市)
日本初の海上を走るジェットコースターが「サーフコースター リヴァイアサン」。コースのおよそ半分が海上に建設されていて、「海に投げ出されてしまうのでは!?」という感覚になるかも。特に美しいのが夕暮れ時で、夕日に照らされた海原とレールが織り成す風景は心に響くものがある。
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海とのコラボを楽しめる「サーフコースター リヴァイアサン」

「ハリウッド・ドリームライド・ザ・ライド」- ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪府大阪市)
「ハリーポッター」で盛り上がるUSJには、パークを横断するように走るジェットコースター「ハリウッド・ドリームライド・ザ・ライド」がある。コースに合わせたBGMが流れるという特徴もあるが、夜になるとジェットコースターのライドに付けられたLEDが点灯し、パークの上空を流れ星が流れているかのように光り輝く。ただ、「ギャー」っという絶叫も一緒に聞こえてくるのだが……。
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「キング・オブ・コースター・FUJIYAMA」- 富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)
やはり忘れてはならないのが「FUJIYAMA」。富士山をイメージして作られた美しいコースターだが、実は、「FUJIYAMA」は観覧車よりも良く見える"富士山観覧ライド"でもあるのだ。高さ79mまで昇っていく時やコースの途中などで、富士山を前方にとらえることができる。美しい富士山を絶叫しながら眺めてみては?
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富士山を眺めながら絶叫できる「キング・オブ・コースター・FUJIYAMA」

造形美なジェットコースターほど怖い?

「美しいバラには棘がある」なんて言うが、美しいジェットコースターほど怖いと言えるかもしれない。一般的に美しく感じるジェットコースターは、起伏が明快で美しい曲線を描いている。また、黄金比のようにみえる線があり、らせんやクロソイド曲線(なだらかな曲線)といった構造を持っていることが多い。

起伏が明快ということをジェットコースターのレールで想像してみると……そう、高低さがあったりループがあったりする構造となり、その結果、「G」の増減が富んだコースとなる。

「G」とは、ジェットコースターの怖さを表現する時によく用いられる単位のこと。"重力"を意味しており、普段であれば自分の体重分=1Gを感じて生活している。2G、3Gと数字が増えるほどに自分の体重が2人、3人と上に乗っているようなずっしりした感覚があり、逆にマイナスGとなると外に放り出されるような、お尻がふわっと浮くような感覚があるということになる。

つまり、美しいほど浮き沈みがあるジェットコースター=Gの変動が豊か、ということで怖さを感じやすくなるというわけだ。

筆者プロフィール : 遊園地ドットコム

1996年から日本全国の遊園地・テーマパーク情報を掲載。東京ディズニーリゾートやユニバーサルスタジオなどをはじめ、全国のパークガイドや割引情報、「ジェットコースターの歴史」や「お化け屋敷の作り方」「テーマパークでダイエット」など、アトラクションにまつわる様々な特集記事を掲載中。 「遊園地ドットコム」