中国市場の2つのニーズ

中国市場には、現在大きく2つのニーズがあると考えている。1つは増えつつある富裕層が購入する端末で、こうした層は端末が高価であってもハイエンドで市場的価値があれば金銭に糸目を付けない。

まだ中国国内でiPhoneが正式販売される前、輸入端末を購入していたような層だ。一方で、こうした話題のハイエンド端末はほしいものの、予算的に購入が厳しいかつての山寨機をメインに利用していたような層だ。こうした層は明らかに安価に見える端末よりも、メーカー品で少しでも話題の端末に目が向いている。こうした隙間ニーズに食い込んでシェアを大きく拡大したのが小米だと考えている。

ハイエンド端末の判断基準はいろいろあるが、中国ではその1つが「スクリーンサイズ」にあるようだ。実際、富裕層の多い地域ほどスクリーンサイズの大きい端末を使っている傾向があり、実際にそうしたトレンドがあるのだろう。

Appleが最新のiPhoneでスクリーンサイズを拡大した理由の1つもここにあると考える。そして話題性だが、小米はオンラインでのセールス記録を喧伝したり、さまざまなキャンペーンやリテール(サポート)ストアの開設など、話題を定期的に提供している。もともとスマートフォン向けのユーザーインターフェイスを開発していた人気メーカーが端末を作ったということもあり、ユーザーのニーズもある程度熟知している。 そして「ハイエンドに匹敵する性能をミッドレンジクラスの値段で提供」したこともあり、前述の山寨機から上がってきたユーザー層の志向にうまくマッチしたのだといえる。小米は最新端末のほか、値段の安くなった旧端末を安価に購入するパターンもあり、ラインナップ全体で広いニーズをカバーしているといえる。