18世紀、とあるイギリスの伯爵が"ながら食い"するために、パンにコンビーフや干し肉を挟むことを思いついたという、サンドウィッチ誕生秘話をご存じの方は多いだろう。そう、パンはいろんな食材と相性がいい。現在でも古今東西、バリエーション豊かな調理パンが開発されている。そんな中、神戸ではまさかのあの食材までパンに挟まれていたのだ!

漬物ドッグ(200円)

青じそベースのジュレもポイント

そのパンを製造しているのは、神戸市垂水区に店を構える「陸ノマル井パン」。話題となっている商品は「漬物ドッグ」(200円)である。ネーミングもさることながら、見た目もインパクト大! なんせ、小ぶりでスタイリッシュなフランスパンに、2日間漬け込んだきゅうりの浅漬けがまるっと1本おさまっているのだ。

「きゅうりとパンのコラボレーションを楽しんでいただきたくて開発しました」と話す同店の末武さんによると、芯までしっかり味が浸みわたるよう、厳選したきゅうりを切り込んでいるという。また、きゅうりを特製調味料に付けて完成させるまでに丸2日を要しており、調理に使う青じそベースのジュレは、最後の一口まで満足して味わってもらえるよう工夫しているという。

努力が報われ、最近ではTV番組でも取り上げられるなど人気がウナギ登り。「放送後は、お子様からご年配の方までお買い求めくださっています」と末武さん。

写真は、垂水区神田町のブランジェリー店外観(他に垂水区日向の「レバンテ1号館」もあり)

「この組み合わせ、勝負に出たな~~」

購入した客たちはこぞって「きゅうりとパンって意外と相性がいいかも!」「さっぱりしていて夏にぴったり」「おもしろい!」「この組み合わせ、勝負に出たな~~」との口コミコメントをネットに残し、ますます話題騒然。もちろん、昔からのお客も一番のリピーターとして店を応援し続けている。

末武さんの方もそれに応え、みんなに喜んでもらおうとおいしいパンの数々を用意して客を迎える。

バターたっぷりのデニッシュ生地で丸ごと1個の大きめマロンを包み込んで焼いた「マロンパイ」(170円)、創業当初からの製法を守り、16時間熟成発酵させて焼き上げる人気の「特上食」(240円)、マヨネーズやドレッシングなども手作りし、新鮮な野菜と卵で早朝から手作りするサンドイッチ各種(240円~)など、こだわり満載の商品ぞろいだ。

「マロンパイ」(170円)

「特上食」(240円)

サンドイッチ各種(240円~)

漬物ドッグは残念ながら、きゅうりの旬に合わせて毎年9月上旬までの限定販売ということだが、お店の近くを通りかかった折には、ぜひとも足を止めてお気に入りの一品を見つけてほしい。

※記事中の情報・価格は2014年8月取材時のもの。価格は税別