ダイハツ工業はこのほど、軽自動車「ミラ ココア」をマイナーチェンジして発売した。今回の改良では、女性の声を徹底的にリサーチした上での企画開発が推進されたという。どんなところに女性の意見が反映されているのか、東京・高輪で行われた報道発表会にて、実車を見学してきた。

新「ミラ ココア」発表会には、CMキャラクターのトリンドル玲奈さんも登場。女性企画スタッフと一緒に同車のかわいさをアピールした

ユーザーの9割を占める女性向けの改良を女性スタッフが実現

今回のマイナーチェンジでは、「お気に入りの1台を見つける楽しさ」をテーマに、全15色のボディカラーや9通りから選べる内装色など、軽自動車最多となる160通りものバリエーションを用意したのが大きな特徴だ。さらに「プラスα」として、各地域限定の特別仕様車も設定された。

これらの企画に携わったのは、ダイハツ工業の女性社員7名と、各地域の販売会社の女性スタッフ117名からなる「ココかわプロジェクト」チームだ。「ココかわ」とは、「ミラ ココア」と「かわいい」を組み合わせたキーワードだという。

白いルーフやピラーが印象的な2トーンセレクションも含め、全15色の豊富なボディカラーを設定

パネルカラーは全3色。写真はアイボリーのパネルに、アクセサリーのインパネガーニッシュを装着

シートカラーも3色から選べる。ボディカラー×パネルカラー×シートカラー=160通りのバリエーションに

発表会にて登壇した同プロジェクトのリーダー、山尾有佳氏は、「『ミラ ココア』のユーザーは約9割が女性。女性による女性のためのクルマづくりをしたいと、プロジェクトを発足した」と説明。企画開発から販売施策まで、一貫して女性独自の視点でのクルマづくりにチャレンジしたという。

内外装の新デザインや基本仕様については、「ミラ ココア」に乗っている女性ユーザーを対象にリサーチを行い、要望を反映させたとのこと。「選ぶ楽しさ」へのニーズは高かったという。また、地域限定の特別仕様車については、全国11エリアの販売会社の女性スタッフが企画し、地域独自のプロモーションを行うそうだ。

北海道エリア特別仕様車「雪ミク ココア」。札幌雪まつりから生まれた「初音ミク」の派生キャラクター「雪ミク」を採用した。オリジナルエンブレムやシートカバーがポイント

女性ドライバーに優しいクルマ、楽しさも上乗せ

実車を見学すると、従来からの女性ドライバーに優しい設計が、そのまま受け継がれていることに気づいた。まず、運転席からボンネットの先端が見えるので、車両感覚がつかみやすい。斜め後方には、「リヤラウンドガラス」という三角窓が設けられていて、バックで駐車するときに確認しやすい。どちらも安心の運転をサポートしてくれる。

今回のマイナーチェンジのキーワードである「選ぶ楽しさ」については、豊富なバリエーションと地域特別仕様車に加え、板チョコのようなフロアマットや、ビスケットのようなフューエルリッドカバーなど、かわいらしいアクセサリーの数々が提案されているのが興味深かった。

アクセサリーカタログを見ると、これらを自由に組み合わせる提案を「カスタム」や「ドレスアップ」とは呼ばず、「トッピング」「ポイントメイク」と表現していて、「ココかわ」の世界観にしっくりきていると思った。お気に入りのインテリア雑貨を選んで部屋作りを楽しむ女性は多いが、「ミラ ココア」のカスタマイズは気負うことなく、部屋作りと同じ感覚で楽しめそうだ。

運転席からボンネットの先端が確認できると、前を走るクルマとの車間距離や、駐車時の前方の距離がつかみやすい

斜め後ろにある三角の窓が「リヤラウンドガラス」。バックで駐車するときに、斜め後方が確認しやすく、安心だ

フューエルリッドカバーに付けられたサイドエンブレム。写真は関東エリア限定アクセサリーだが、汎用品も6種類用意

フロント、サイド、リヤにロアガーニッシュをコーディネイト。写真の近畿エリア限定仕様車には最初から装備されている

新しい「ミラ ココア」は、女性ドライバーへの思いやりにあふれる基本設計に、あれこれ選んで自分らしくコーディネイトする楽しみが上乗せされた軽自動車に仕上がっていると感じた。同車の価格は118万8,000~162万5,400円となっている。