――昨年から今年にかけて出演作が激増していますが、何が良い結果に繋がっていると思いますか。

『TOKYO TRIBE』の撮影を終えて思うのは…自分に自信を持つことができるようになったんじゃないかなと。作らず閉じこもらず、楽しめるようになった自分。オーディションの取り組み方も変わりました。実は『TOKYO TRIBE』は1度落ちていて。2回目に受けた時は得意なアクションの審査だったので、誰にも負けないという思いで挑みました。

――そのアクションの話なんですが、どんなところを突き詰めていく作業と捉えていますか。

私は結構"見た目"を気にしています。いつも立ち回りをやるときは、カメラを回してもらっていて、カッコ悪いと感じた時はそこを調整します。アクションを習っていた頃にも先生に見てもらって。その頃にボクシングから始めたんですが、そこでの経験が今にとても生かされていると思います。

――1回目はどのような理由で落選したんですか。

園監督が言ってたのは「業界に染まっててムカついたから」と(笑)。1回目は配役のオーディションで、2回目はアクションメンバーとしてのオーディションでした。2度目の私はキラキラ輝いていたそうです(笑)。

――劇中ではアクションのほか、衣装を脱ぐセクシーシーンにも挑戦していますね。勇気のいる決断だったと思いますがいかがですか。

合格の電話でマネージャーさんから言われて。その時はすごくビックリしたんですけど、正直…勇気はなかったんですけどこの役はどうしてもやりたかった。自分の状況を考えた時に、これをチャンスと捉えるようになりました。やり終えて思うのは、意味があるシーンだったということ。作品のためになればと思っていたので、やってよかったと思います。脱ぐ脱がないがどうでもいいということではなくて、そのことが作品に合ってさえすれば、ぜひやりたいと思いますね。

――ヒップホップ界のスターに囲まれてラップを披露するシーンもありますね。

あれはすごいですよね。しかも、撮影の初日だったんです(笑)。緊張しすぎて、頭が真っ白で必死。あまり覚えていません。1カ月ぐらい前から、Mary Janeさんに指導していただいて。移動中も携帯に録音した声をずっと聞いていました。あとはラップは手ぶりも大事なので、動画を見て見よう見まねでやりました。アクションからラップまでカットをかけずに撮り続けたんですが、アクション後の興奮状態からラップのリズムを刻むのがすごく難しくて、テイクを重ねました。

――ヨン演じる坂口茉琴さんとのコンビアクションも見どころですね。

撮影に入る前のアクション稽古からずっと一緒でした。ブレイクダンスとアクションをずっとやってきた子で、教えてもらいながら一緒に呼吸を合わせたり。2人でいろんなシーンをやりました。

――アクションシーンで特におすすめは?

中華料理屋の机での側宙は、今まで一度もやったことがなかったんですがノースタントで。見どころはいっぱいありますが、自分よりもアクションが優れている方がたくさん出ていたので悔しい部分もありました。実は最近、新技を開発しようとしてこけちゃって(笑)。バタフライツイストっていう横回転の蹴りです。マットでは成功したんですけど外でやってみたら、豪快に失敗しちゃいました(笑)。

――演技への自信を取り戻した今。目指すのはアクション女優? それとも幅広い演技を得意とする女優?

アクションが全くない役もどんどん挑戦していきたいんですが、夢は世界で活躍できるアクション女優。今、英語を勉強していますが、芝居ももっと経験して、最終的にはハリウッド映画でアクションシーンを演じるようになりたいです。

――『バイオハザード』の続編オファーが来るかも!?

ミラ・ジョボヴィッチさんと一緒にやりたい(笑)! こうやって話しておけば叶うと聞いたことがあるので(笑)。寝る前もイメージトレーニングをしながら、日々自らに言い聞かせています。

■清野菜名
1994年10月14日生まれ。愛知県出身。身長160cm。特技はアクション、バク転、殺陣、球技、ギター、ドラム、陸上競技。2007年にファッション雑誌『ピチレモン』(学習研究社)でモデルデビュー。2011年まで専属モデルを務め、同年現在の事務所に移籍。ドラマ『桜欄高校ホスト部』(TBS系2011年)ほか、9月4日から『前野クンの中の人』(NHK Eテレ)にヒロインで出演。待機作に『進撃の巨人』(2015年公開)、『少女は異世界で戦った』(2014年9月27日公開)。今年は『WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~』、『ねこにみかん』、『ヌイグルマーZ』などの映画にも出演した。『TOKYO TRIBE』公開翌日の8月31日には、地元愛知で凱旋舞台挨拶を行う。

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