米VMwareは8月25日(米国時間)、カリフォルニア州サンフランシスコのMoscone Centerで開催している技術カンファレンス「VMworld 2014」にて、コンテナ技術の利便性向上を目的としてDocker、Google、Pivotalと協業することを発表した。

VMworld 2014 初日の基調講演にてDocker、Google、Pivotalとの協業を発表

今回の発表は、普及の兆しを見せているLinuxコンテナの現場導入を意識してのもの。Linux OS間でのアプリケーションの移設を容易にする同技術は、仮想化技術の一部を代替するものとして挙げられることがあるが、米VMware CEOのPat Gelsinger氏は、「いずれかを選ばなければならない"OR"ではなく、お互いの良いところを活かして共存できる”and"の関係にある」と強調。VMwareの技術と組み合わせることで高い信頼性、セキュリティ、拡張性を確保できることなどを説明した。

Gelsinger氏は、コンテナ VS. 仮想化という見方を否定

今回の協業では、DockerとVMwareが共同で、仮想化基盤「VMware vSphere」およびハイブリッドクラウド向けIaaS「VMware vCloud Air」 でのDocker Engineの動作検証や、Dockerが推進するOSSプロジェクト「libswarm」「libcontainer」「libchan」の開発などを進めるほか、Googleが開発したDocker向けの管理ツール「Kubernete」のコミュニティにVMwareが加わり、vSphere環境をKuberneteで管理できるようにしたり、API/ツールをエンタープライズでも利用可能にしたりといった取り組みを行う。そこでは、OSSのPaaS「Cloud Foundry」の開発で培った仮想化環境上でのコンテナ活用に関するノウハウも活かされていくという。

VMwareでは、こうした活動を通じて、「オンプレミスでも、プライベートクラウドでも、パブリッククラウドでも、さらにはハイブリッドクラウドにおいてもコンテナベースのアプリケーションを同じように実行/管理できるよう手助けしていきたい」とコメントしている。

VMwareの技術で実現するSDDC(Software-Defined Data Center)の中で、コンテナ技術も利用可能になる